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  • トレンドは「ワンシーズン見送り」が正解!人気スタイリストが伝授する56のルール

    2019年12月15日
    くらす
    田中香織:講談社BOOK倶楽部
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    おしゃれになりたかったら、トレンドは買わない。
    著者:川上さやか
    発売日:2019年10月
    発行所:講談社
    価格:1,595円(税込)
    ISBNコード:9784065175002

    「あなたはおしゃれですか?」と聞かれたら、まったく自信がない。「いえ、おしゃれは好きですけれど、自分がおしゃれかどうかはわからなくて……」などと、もにょもにょした言い訳を続けることまですぐに想像できる。

    一方、街ですれ違った人が素敵な服を違和感なく着こなしていると、そのおしゃれさに見とれることがある。その時受けた印象を胸に抱き、自分もそうなりたいと願いながら服を選んでみるものの、実際に満足なコーディネートになることは少なかった。「素敵だと思うことはできるのに、『自分に似合う』『素敵な』服は選べない……!」このギャップ、埋まることはあるんだろうか。おしゃれって、いったいどうしたらいいの?

     

    重要なのは、自分の好みと性格をはっきりさせること

    本書の冒頭で著者は、会社員として銀行に7年間勤めた後、スタイリストになったと語る。会社員時代からおしゃれが好きで、通勤経路にあったいろんな店でさまざまなジャンルの服を、その時の流行や気分で試してきた。中には失敗もあったがそれらの経験を踏まえた今作では、主に30代以上の働く女性に向けて、ルール別の実用的なコーディネートを提案していく。

    最初のルールは、タイトルの一部にもなっている「トレンドは買わない」。いわく、

    おしゃれ好きほど流行りのアイテムに敏感。ですが、流行り始めたばかりのトレンドアイテムには手を出さず、最低1シーズンは見送るのが正解です。なぜなら、流行り始めのデザインは、バランスが目新しすぎて他のものと合わせにくいから。

    例として挙げられた「ガウチョパンツ」では、販売が始まったころと2年目以降で丈や形に変化があったという。発売したての段階だと、着こなしにもちょっとした努力や工夫が必要となることも。改良が進めばそういった手間が減り、誰でも着やすいアイテムへと進化を遂げる。だから定番になってからが大事、と。

    さらには、日々のコーディネートには幅を求めなくてもいいこと、持っている服の色や量を整理することで自分の好みと性格をはっきりさせる重要性も力説されていた。そうすることで初めて、その人らしい着こなしが生まれ、買う時にも着る時にも迷いがなくなり時間を短縮することができるようになる。

     

    「止まっていない」こと、見直すこと

    本書ではルールを紹介した後に、それに対する著者の実践や対策もつづられている。9つ目のルールは、

    時代の空気感って、毎年必ず変わるものではないけれど、ときどきグラッと大きく動くことがあります。自分の体型も去年とは同じではないし、年齢や仕事によって、自分の立場も変わっていきます。アイテム自体は定番と呼ばれるものがあっても、その形に定番は決してありません。

    とあり、次ページの「こうやってできるようになった!」、その見出しには

    残念だけど一生ものの定番はない。定番アイテムのサイズとデザインを見直すように

    と続けられている。

    本来は変わらないイメージが強い「定番商品」だが、たとえば車や食品など、同じ名前で改良が続けられマイナーチェンジを重ねているものも多い。作り手が感じ取った時代の変化や需要を商品へ反映することで、良さや持ち味をより追求できる利点がある。

    とはいえ、「定番になるまで待った」のに、「定番になってからも変化がある」なんて──!? 驚いていても仕方がない。服は消費物。どれだけ大事に着ていても、傷みは生じる。そして服の中身である人間にも、日々変化が起きている。だからこそ、「定番」を大事にしながら自分と服、その両方の変化を観察し、自らの好みと現実へ反映し続けることがポイントになってくる。

    ちなみに本書ではここまでが前振りで、第1章が始まるのはこの後から! 「おしゃれになる」ことの法則性や考え方、見方がさらに細かく紹介されていく。一度に読み切れない時は、たとえば季節の変わり目や「買い物に行こうかな」と思った前日などに、気になる項目だけチェックするという読み方もアリかもしれない。

    私は「肩山の位置」や「首元のバランス」「カーディガンの使い方」に迷うことがよくあったので、その項目には印をつけた。そうそう、そうなの! まさに、そこで悩んでいたの……。そう思えるページはこれから何度も読み返したい。そうやって自分の味方を本棚に持っていれば、いつでも戻ることができる。本だけど、おしゃれの先生。心強い。

    (レビュアー:田中香織)


    ※本記事は、講談社BOOK倶楽部に2019年11月5日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。




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