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国連による「世界幸福度調査」において、つねに上位にランクインしている国・デンマーク。
近年ではデンマーク語で「心地よさ」を表す「ヒュッゲ」というライフスタイルが世界中で知られるなど、デンマークに住む人々の考え方や暮らし方に注目が集まっています。
2017年に発売された書籍『ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方』は、著者であるデンマーク人のマイク・ヴァイキングさんが、「ヒュッゲ」を紹介したもの。
「キャンドルをともして、あたたかい部屋でコーヒーを飲む」「気のおけない友だちと集まって、部屋で映画をみる」など、小さな幸せを大切にするデンマークの人々の習慣が描かれ、女性を中心に人気を博しています。
11月26日(月)、その続編となる『リュッケ 人生を豊かにする「6つの宝物」』が発売されます。
「リュッケ」とは、デンマーク語で「幸せ」という意味の言葉。本書はデンマークの人々の暮らしや考え方、全世界から集めたデータを手がかりに、人々が共有できる「幸せのしくみ」を探究した一冊です。
▼第1弾と同様、北欧風の可愛らしい装画が目を惹く
今回は本書より「幸福度を左右する要素」についてご紹介します。
幸福度の差は、どのようにして生まれるのでしょうか。
本書の著者・マイクさんの分析によると、個人の幸福度は次の6つの要素に左右されるといいます。
1. TOGETHERNESS(一体感、連帯感。人と共にあること)
2. MONEY(お金とうまく付き合うこと)
3. HEALTH(健康。心と体が満たされること)
4. FREEDOM(自由。本当に大切なものを見つけること)
5. TRUST(信頼。心地いいサポートの輪を作ること)
6. KINDNESS(親切。だれかを笑顔にすること)
逆にいうと幸福度が高いデンマークには、以上の6つが充足されやすい環境が整っているといえますが、なかでも特に人々の考え方や生活に根付いている要素があります。
それがひとつめの「TOGETHERNESS(一体感、連帯感。人と共にあること)」という要素です。
ある調査によると、デンマーク人は友だちや家族と会う頻度が高く、失敗したときや落ちこんだときに友人が自分を助けてくれると信じる人が多いという結果が出ました。
この事実は、デンマークが世界でもトップレベルの幸福な国であることと無関係ではありません。(本書P.34より引用)
マイクさんによれば、幸福度が高い国の人々は、強い「連帯感」や「帰属意識」を持っていることが明らかになっているそう。
デンマークの人々もその傾向が強く、家族とキャンドルを灯して夕食をとる時間や、近所の人々との日常的な交流を大切にしています。自分が属しているコミュニティを重んじる風土が根付いているのです。
さらに興味深いことに、「税金」に対する意識にも「連帯感」の強さが表れています。
デンマークは世界でも珍しいほど税金が高く、消費税は25%、所得税は平均で45%にもなります。
ところが2014年に行われた世論調査によると、デンマークに住む人の10人に9人が「よろこんで税金を払う」と答えました。
医療費や教育費が基本的に無料など、税金が生活の質の向上に反映されているという事実はもちろんですが、「困ったときに助けを得られる」という安心感が、税金へのポジティブな印象につながっているようです。
本書のなかでマイクさんはこう述べています。
よい暮らしは、「つながること」と「目的を持つこと」で築かれるということ。豊かさは、預金の残高のみならず、絆の強さ、愛する人の健康、感謝の気持ちによって測られるということ。
そして幸福は、他人より大きな車を手に入れることではなく、自分が何か大きなもの(コミュニティ)に属して、みなが一体となって生きていると実感することで得られるといえます。(本書P.34より引用)
人と共に生きることを前提とし、公共の利益を重んじることによって心豊かな暮らしを得ているデンマークの人々。
その幸福度の高さには、「連帯感」「コミュニティへの帰属意識」が大きく影響していることがわかりました。
日本は2018年の「世界幸福度調査」において54位であり、先進国の中では最下位の順位となりました。物質的に豊かであっても、それが幸せに直結するわけではないと実感させられる結果です。
こうした幸福度の違いにはどんな背景があるのでしょう? そして、デンマークにあって日本に足りないものとは何なのでしょうか?
本書には、その問いへの答えが用意されています。デンマークの事例だけでなく、世界中から集めた事例や客観的なデータを取り上げながら解説がなされており、納得して読み進められることが大きな特徴です。
さらに、生活のなかで実践していきたいことについてもまとめられているのが嬉しいポイント。「幸せになるためのヒント」がたくさん詰まった一冊です。