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11月9日(金)、小田真規子さんの『一日がしあわせになる朝ごはん』シリーズの続編『休日が楽しみになる昼ごはん』が発売されました!
“休日の昼”をピンポイントで狙った異色のレシピ本ですが、なぜあえてこの時間帯にフォーカスしているのでしょうか……?
巻頭ページにある説明をざっくりとまとめると、その理由は次の3点に集約されます。
1. 平日よりもリラックスした気持ちでキッチンに立てる
2. 朝ごはんより料理としての満足感があるのに夜ごはんより簡単に作れる
3. 1、2の条件がそろっているため、いろんな料理に前向きに挑戦できる
つまり“休日の昼”は、いつもと違う料理に一番気楽にチャレンジできるタイミングなのです。
本書は、そんな休日の昼ごはんを最大限に楽しめる工夫が施された、遊び心満載のレシピ本。今回は実際に収録されている内容を見ながら、その魅力を紹介していきます!
まず、本書は初めの段階で「料理をするぞ!」という気持ちを作ってくれます。巻頭の1ページをご覧ください。
「年間120日が楽しくなる冒険に出かけよう」というタイトルから始まる、“休日の昼ごはん”への思いをはせた文章に、ワクワク感が高まります。
太陽の光が差し込む中、家の食卓という、いちばん落ち着く空間で昼ごはんにしかない特別な世界を味わう。
そうして昼ごはんの冒険で得た「楽しい体験」という宝物は、いつか大切な思い出に変わっていきます。
それは、自分を奥のほうから支えてくれる、幸福な記憶となるのです。遠くへ旅に出なくても、お金や時間をかけなくても、自分の手で作れる、確実なしあわせがある。それが、昼ごはんの冒険。
本書に収録されているレシピには一つひとつに物語があり、「読むだけで面白い」ことが大きな特徴。
こちらは「昼下がりの釜玉うどん」。休みの日によくある、“気づいたら14時を過ぎていた……”ときのような、けだるい昼下がりを想定した一品です。
けだるくっても作れる簡単さ。なのに感じる鮮烈なおいしさ。卵のとろみとバターの香りで「けだるい」が「うっとり」に変わります。
そのほか、麺ものでは「あの、あんかけ焼きそば」や「11時のクリームパスタ」、ご飯ものでは「平和的天津飯」「ちらし寿司という敬意」、パンものでは「解放ハンバーガー」(!)など、個性的なネーミングのメニューが登場します。
続いて、昼の定番料理・オムライスのレシピを見てみましょう。本書では「オムライスの可能性」を探るという視点で紹介されています。
陸上自衛隊における「毎週金曜はカレーの日」にならい、「毎週日曜」を「オムライスの日」に制定し、さまざまな作り方を試してみる企画です。
掲載されているレシピは、「定番スタイル」「スクランブルスタイル」のほか、「オムレツのっけスタイル」「温玉スタイル」「ケチャ炒めのせスタイル」の全6種類。
料理のアレンジをいろいろと試せるのも、余裕のある休日の昼ならではですよね。
いろいろと述べてきたものの、やはりシンプルに「使える」レシピ集であるということが、胸を張っておすすめできる理由です。
パスタに関していえば、「和える」だけで簡単に作れるレシピを36種類も紹介しています。
なかには「刻みごま+生卵+のり+しょうゆ」や「天かす+万能ねぎ+めんつゆ」といった、超お手軽な節約レシピも! 給料日前のカツカツの状態でも、安心して頼れる内容です。
ほかにも、“なんか休日っぽいことをしたい”という人のために、昼からお酒を飲むことを想定したメニューもあります。
例えばこちらは「背徳感の昼飲みサラダ」。スパークリングワイン、白ワイン、赤ワインに合うサラダのレシピと、1500円前後で買えるボトルワインを紹介しています。
休日っぽさを感じられる、いちばんの感情。それは「背徳感」。「昨日のこの時間、まだ働いてたな」と思いながらワインの栓をあけ、太陽にグラスをかざす。心の中の真面目な自分が困った顔をしているこんなとき、「休日!」を強く感じるのです。
筆者が特に作ってみたいと思ったのは、本書p.72~73に掲載されている「いいとこドリア」。
オーブンを使わず、フライパン一つで作れる楽さなのに、たっぷりお肉ととろ~りチーズを堪能できる、まさに“いいとこどり”な一品です。
残り物を全て内包することで、ごちそうにも大変身! 作り方は本書を読んでチェックしてみてくださいね。
レシピ本として優秀なだけでなく、読み物としても面白い『休日が楽しみになる昼ごはん』。遊び心をくすぐる内容に、思わず笑顔になってしまう一冊です。
▼小田真規子さんの『一日がしあわせになる朝ごはん』シリーズ既刊はこちら