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突然ですが、「ヒュッゲ(hygge)」という言葉をご存じですか?
ヒュッゲとは、デンマークやノルウェーで使われている、「居心地のよい雰囲気」というニュアンスを伝える言葉。「仲間との絆」や「思いやり」などの意味も含んでいます。
“ヒュッゲなライフスタイル”は2016年ごろから欧米でブームになっており、イギリスのコリンズ英語辞典が選ぶ「今年の単語2016」では「hygge」が第2位に。日本でも関心が高まっており、2017年に入り関連本が続々刊行されています。
この写真を見て、どのように感じますか?
もし「広々とした青空の下で、あんな素敵な家に住んでみたい」と思ったとすれば、あなたも心のどこかで「ヒュッゲ」を求めているのかもしれません。
デンマークやノルウェーをはじめとする北欧諸国は、生活の質や豊かさに関する世界ランキングでたびたび上位にランクイン。そこで生活する人々は、いつも心が穏やかで、人生に対する満足度が高いとされています。
そんな北欧諸国の暮らしとは、どのようなものなのでしょうか。また、北欧での生活を語るには欠かせない「ヒュッゲ」とはどのような世界観なのか、11月11日(土)に発売された『HYGGE 北欧が教えてくれた、「ヒュッゲ」な暮らしの秘密』に沿ってご紹介したいと思います。
これまでの「ヒュッゲ」関連本はどれもデンマークの暮らしを紹介する内容でしたが、本書は視野を北欧全域に広げ、そこに共通する生活観やライフスタイルを解説した一冊です。
北欧の人々は自然に身をまかせ、自然の歩みに従うのみ。自然に畏怖の念を抱き、敬意をはらい、ふれあうことを忘れません
(本書p.8より引用)
ヒュッゲの根幹は、「自然に寄りそって生きること」。自然に逆らわずに暮らし、そこに工夫や知恵が伴うことで、北欧独特の食やデザインのスタイルができあがったのだそうです。また、自然のなかに身を置いてみることで、自分にできることや、大切にしたいことがわかるのだといいます。
北欧では、厳しい自然と生きるために、知恵と工夫を身につけておく必要がありました。便利な時代になった今も、できることは自分でしたいと多くの人が考えています。
(本書p.48より引用)
お米は炊飯器で炊けるし、道に迷えばGPSやネットの地図が現在位置を教えてくれる。テクノロジーが発達した現代社会では、自分でする必要のないことが格段に増えました。しかし、本書によれば、この“便利さ”によって人は多くの能力を失っているとのこと。
家の電気や配管のトラブルを自分で解決する。裁縫を覚えて自分にあった手袋をつくる。このように、「身のまわりの物事についての知識や技術を身につけ、できることは自分でやる(つくる)」ことが「ヒュッゲなライフスタイル」では重視されています。
「お金をかけなくても、豊かな食事をとることができる」、これがわが家の教えです。
(本書p.58より引用)
北欧では、みんなでティータイムを楽しむ“フィーカ”や、週末に集まって食事をする習慣があるそうです。その背景にあるのは、「料理が人と人をつなげる」という考え方。食事の豊かさは、食材の豪華さやお店の高級さにあるのではなく、「心を込めて作った料理を、大切な人と分かち合うこと」にある、ということです。
本書には、そんな大切な時間を彩る、料理やお菓子のレシピも多数掲載されています。もちろん、ここでも「できることは自分でやる」という精神が生きています。魚は自分でさばき、パンも自分でつくり、味付けは自分好みにカスタマイズするのです。
ヒュッゲな暮らしでは、家具も自作し、壊れたら自分で修理するのが理想です。
日本でも人気の、北欧のインテリアや住まいのデザイン。その特徴は、「機能的でありながら、スタイリッシュ」であるということ。流行に左右されないシンプルなデザインには、時代を超えて愛用したくなる魅力があります。だからこそ、古くなった家具も修理して使い続けたいと思えるのかもしれません。
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以上、「ヒュッゲ」と、それにもとづいたライフスタイルをご紹介しました。現代の日本社会ですべてを取り入れるのは難しいかもしれません。しかし、IT化・デジタル化が進み、慌ただしさを増している時代だからこそ、「自然に寄りそって生きる」という哲学から学べることは多いはず。できることから生活に取り入れ、シンプルで豊かな暮らしを目指してみませんか?
ブームの火付け役となった、デンマーク流の「ヒュッゲ」本もあわせてチェックしてみてください。