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1.グレタは、世界中の海に浮遊する大量のごみに関する映画を観たことをきっかけに、深刻なうつを発症した。その後、グレタも妹のベアタも発達障がいがあると診断され、両親はできるかぎりのことをしようと姉妹に寄り添った。
2.二酸化炭素課税や大量の植林を実行することで、人びとの生活習慣は変わり、持続可能性を第一に掲げる社会を築けるはずだ。危機を認識することが危機への解決策となる。
3.3週間の学校ストライキを始めたグレタは、見知らぬ人と話せるようになり、人前でスピーチできるようになった。彼女の運動はまたたくまに世界中にひろがった。
国連気候サミットでのスピーチなどが話題となり、日本でも注目を集めている16歳の女子高校生、グレタ・トゥーンベリ。本書は、彼女の母マレーナが中心となり、家族が共同で執筆した本である。マレーナは歌手として、スウェーデン国内では国民的に知られた有名人でもある。娘のグレタは、思春期の始まりに環境問題についての映画を観てショックを受け、食事もとれないほどのうつ状態を経たのち、アスペルガー症候群、選択的緘黙(かんもく)症と診断される。本書には、家族が症状と向き合い、グレタとともに地球温暖化をはじめとする環境問題への意識を高め、アクションを起こしていく様子が描かれている。
グレタはスピーチで、怒りをあらわに、今すぐに抜本的な変化のための行動を起こすよう、強く主張する。グレタが怒るのは、自分たちのような子どもが将来最も大きな影響を受けるのに選挙権もない一方で、大人たちは危機に際して何もしないままでいるからである。危機はすぐそこまで迫っていて、科学者や専門家になるために勉強をしている時間的余裕はない。今すぐに変化を始めなければならない。その焦燥感が、グレタに怒りを抱かせている。
多くの人が、頭では温暖化が深刻であることを理解しつつ、実際に効果のある対策に向かって動けずにいるのは、彼女のように危機が現実的なものとして実感できていないからだろう。しかし、本書を通して、「私たちの家が燃えている」と訴えるグレタの怒りを受け取ることで、大人たちも危機を身近なものとして実感できるようになるのではないだろうか。