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1.場を上手く切り抜けたいときや、言いにくいことをあえて言わなければいけないときなど、状況に応じた最適なフレーズと使い方を紹介しているのが本書だ。
2.古舘氏は、自分ファーストでダラダラしゃべり続け、その反省を繰り返してきたという。その経験をもとに、短いフレーズに思いを詰め込むことに徹し、磨き上げたのが、本書に登場する「一点突破の凝縮ワード」である。
「言葉を凝縮する」というテーマと、古舘伊知郎氏は、最も対極にあると思われるかもしれない。一般に、古舘氏はしゃべりの総尺が長いというイメージがあるからだ。しかし、本書で彼は、話が長すぎて色々な失敗をしてきたことをまず吐露している。そして、そんな失敗があったからこそ「凝縮した言葉を使う」ことの必要性を、誰よりも実感しているというから説得力がある。
古舘氏は2016年3月31日に、12年間務めた「報道ステーション」のメインキャスターを辞め、バラエティの世界へ。そこでは水を得た魚のようにしゃべりまくり、聴衆も最初のうちは久しぶりの「古舘節」に喜んだ。ところが、ほぼ毎日の放送となると話は別だった。現代のバラエティ番組では、「短い時間の中で、いかに気の利いたことを言えるか」が勝負だ。従来の古舘氏による一気呵成のしゃべりは、どうもハマらなかったという。
言葉を煮詰め続けた古館氏は「自分のことばかりダラダラしゃべるのは、もうやめだ!」と決意し、本書のテーマである「人の心に刺さる、一点突破の凝縮ワード」を生み出した。自身の反省を踏まえ、リ・スタートを切ったしゃべりの天才、古舘氏。彼が編み出した凝縮ワードの数々は、オンリーユー力、オウム返し反撃力、切り上げ力など、ユーモアたっぷりで、しかも応用性範囲が広い。そんなワードがちりばめられた本書は、日常生活における最適な会話術の手引き書といえるにちがいない。