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1.高い生産性と創造性を発揮できるチームをつくるには、「ザッソウ(雑談と相談)」が有効だ。
2.ザッソウの効果とは、雑談と相談の境目をなくすことで、チーム内のコミュニケーションを円滑にし、全体の生産性を高めることである。「ザッソウ」は気軽に話をするきっかけとなるからだ。
3.ザッソウしやすい職場をつくるポイントとして、チームの目標がはっきりしていること、プライベートなことも共有していること、判断基準と価値観を共有していることなどがある。
昨今の働き方改革では、「働く時間を短くする」という方向性が主流となっている。効率化への取り組みは有意義だが、効率化を追求しすぎることで、大切なものが職場から失われてしまうのではないか? 著者の倉貫義人氏は自身の経験を踏まえて、そのような懸念を抱いている。
著者は、自身が立ち上げた会社でマネジメントする際、効率だけを追い求めて失敗したことがあったという。仕事中の雑談が減り、社内の空気が悪くなっていく――。悪循環から抜け出すきっかけとなったのは、思い切ってメンバーに相談をしたことだった。思いもよらぬアイデアがメンバーから次々と出てきて、そのアイデアから新規事業の立ち上げまで進んだ。チームが成果を出すために必要なことは、気軽に雑談と相談ができる状態であること。この学びから、「雑談と相談」をすることを「ザッソウ」と名付けた。
この言葉の転用から思い起こされるのは、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」だろう。ホウレンソウという言葉によって、報告・連絡・相談が大事だという共通認識を人々は持つようになった。ではなぜザッソウという新しいコンセプトが必要なのか。その理由が、本書を読むと自然に頭に染み渡ってくる。そして、ザッソウしやすい職場のつくり方、ザッソウを働く人の幸福や成長の機会にするために意識するとよい点などが、スッキリ整理されていくことだろう。
経営者やリーダーはもちろん、チームワークの良い環境で気持ちよく働きたいと考える人に、ぜひとも読んでほしい一冊である。