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1.働き方改革は、資本家(経営者)の利益に合致したかたちでの労働再編だ。そして、資本主義の根本的な構造とは、金と命を交換するということである。働き過ぎてはいけない。
2.資本主義システムの中で持続的に賃金を稼いでいるということは、見えなくても誰かの役に立っているということだ。このリアリティを持てるかどうかで生き方は変わる。
3.仕事の目的とは休むことだ。余暇を楽しく過ごせば、日々の仕事に潜んでいる問題をあらい出すこともできる。仕事の論理だけで全てを考えようとしないことだ。
元外交官であり著名な作家である佐藤優氏が、残酷な社会で生き抜くための働き方を伝授する。元号が変わって令和となったいま、社会は自己努力だけで生活を改善していけないほど厳しい状況になっている。非正規雇用は拡大し、そのほとんどは「働いても働いても生活が豊かにならない」ワーキングプアだ。「老後2000万円問題」が話題になったように、公的年金制度があまりにも頼りないことは周知の事実だ。その中で、私たちの労働環境も刻々と変化している。組織内で一生懸命に働き、歯を食いしばって耐えていくだけではもはや生き残れない。本書では、佐藤氏がこの厳しい労働環境を生き抜いていくための考え方や、具体的な策を示す。
本書は、朝日カルチャーセンターでの連続講義の内容がもとになっている。マルクスの『資本論』に基づいた経済理論や、『聖書』やピーパーの『余暇と祝祭』に踏み入る哲学的考察が展開される。と同時に、元外交官だからこそ語れる裏話や、テレビドラマの話、コミカルに語られる経験談も織り交ぜられ、重厚でありながら読みやすい一冊となっている。今まで思いもよらなかった考えが、身近な実例とともに次々に頭に入ってくる。
「働く」ということは、誰しもが避けて通れない大切なテーマである。働くということに疲れてしまった方、働くことの意味に迷ってしまった方、組織で働くことがしんどいと感じている方にぜひ、手に取って読んでいただきたい。佐藤氏が提示する「最強の働き方」は、今後の人生の羅針盤となり、大いに役立つであろう。