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先週まで「本のある空間」や「本を選ぶこと」、「本の楽しみ方」についてブック・コーディネーターの内沼晋太郎さんにお話を伺ってきました。今週は対談の舞台である「HMV&BOOKS TOKYO」の統括プロデューサー・田代さんも加わって、実際に売り場を見て回ります。
内沼晋太郎(写真左)
PROFILE
1980年生まれ。numabooks代表。ブック・コーディネーター、クリエイティブ・ディレクター。一橋大学商学部商学科を卒業後、某国際見本市主催会社に入社し2か月で退社。往来堂書店(東京・千駄木)に勤務する傍ら、2003年に「book pick orchestra」を設立。2006年12月まで代表を務めたのち「numabooks」を設立。2012年、東京・下北沢にビールが飲めて毎日イベントを開催する新刊書店「本屋B&B」を博報堂ケトルと協業でオープン。著書に『本の逆襲』(朝日出版社)、編著に『コーヒーの人』(フィルムアート社)などがある。
田代貴之(写真右)
PROFILE
2000年、HMVジャパン株式会社に入社。九州や関西、都内など9店舗に勤務し店長を務めたのち、HMVジャパン株式会社本社にて販促プロモーションを担当。その後HMVのキャンペーンやタイアップを担当する傍ら、2011年より「HMV GET BACK SESSION」と題した名盤再現ライブシリーズをはじめ、数々の主催ライブを企画する。2014年にオープンしたアナログ専門店「HMV record shop渋谷」を立ち上げ、2015年に統括プロデューサーとしてHMV&BOOKS事業を担当。2015年11月19日、モディ渋谷5階・6階・7階に「HMV&BOOKS TOKYO」をオープンさせる。
2015年11月19日、マルイシティ渋谷が名称を変え「渋谷MODI(モディ)」としてリニューアルオープンしました。「HMV&BOOKS TOKYO」があるのはその5階・6階・7階の3フロア。「LIVE BOOK STORE」「LIVE MUSIC STORE」「LIVE MOVIE STORE」をキーワードに、書籍やCD・DVDだけでなく関連グッズなど独自の商品が並びます。
ーそれでは5階から見ていきましょうか。
5階のコンセプトは「世界の食と旅」。世界の文学や旅のガイドブック、音楽、映画のほか、世界中の「食」にまつわるレシピ本や小説、コミック、雑貨までも取り揃えており、フロアにいながらして世界旅行が楽しめます。
(▼クリックすると別窓で拡大して見られます)
田代貴之(以下、田代):ここは“A Day in the Life”といって、新刊・新譜・話題作のほかに、その日一番旬な最新情報を提供するエリアです。
夢眠ねむ(以下、夢眠):あっ、曜日ごとになってる!
田代:そうなんです。「人生の中の今日という一日」という意味合いでもちろん新譜や新刊も置かれるのですが、「今日」を象徴する場所になっているので、新聞と同じように、昨日起こったことで今日知りたいと思ったものを置いたりしています。
夢眠:めちゃくちゃ大変じゃないですか!
田代:そうなんですよ。
夢眠:やめるなら今ですよ(笑)。
田代・内沼晋太郎(以下、内沼):いやいや! やるんですよ(笑)!
夢眠:えー、すごーい! それがこの壁全体なんですね。1週間が見られるってことは、来週は全然違うものが並んでいるわけですね。ピザの日にピザの本があったり……。アイドルの誕生日もあるんですね! 私たちの本も誕生日に並ぶのかな。
田代:もちろん並べますよ! 続いてこちらは「世界の旅と文学」というエリアです。
内沼:たとえば「シャーロック・ホームズ」の場合、普通の書店だと和訳の本しかないんですが、このエリアには洋書のペーパーバックがあったり、グッズがあったり、DVDがあったりと、全部ひとまとめになっているんです。
夢眠:じゃあ今シャーロック・ホームズにハマったら、ここに来て買い占めればいいですね(笑)。
ー確かに洋書と翻訳版が一緒に並んでいるところって、なかなか見かけないですよね。
内沼:原文と和訳が一緒に並んでいる売り場はほとんどないと思います。「村上春樹さんはどうやってチャンドラーの作品を訳したのだろう」と思ったとき、隣にすぐ現物があるという面白さを出しました。
田代:「世界」ということで、アジアやヨーロッパなど地域ごとに分かれているのですが、韓国のところには本だけではなくK-POPのコーナーも配置しています。
ーこのコーナーは何ですか?
田代:ここにはこれから椅子が来るんですよ。本を読んでいただけるコーナーです。
夢眠:充電ができる! 充電は超大事ですよ!
一同:(笑)
田代:Wi-Fiもありますよ。
夢眠:住める! 最高だなあ。
田代:ここらへんはこだわっていて、ジャマイカとアフリカがちゃんと繋がっているんです。地域だけ見ると、レゲエはレゲエ、アフリカはアフリカになってしまいがちですが、音楽のルーツは繋がっているので、そういうところを表現したかったんです。
夢眠:HMVならではですね。本のセレクトはどのようにされたんですか?
内沼:スタッフの方皆さんと話し合いながら決めていきました。時間、かかりましたね(笑)。
田代:かかりましたね(笑)。書店員出身の方とCDショップ出身の方と内沼さんと、皆で決めていったので、皆の「当たり前」を見直しながら意見をすりあわせていきました。でもすごく面白かったですね。
内沼:面白かったです。
夢眠:何人くらいいらっしゃったんですか?
田代:合わせて10人くらいだったと思います。
夢眠:結構多いですね! そんな皆さんのアイディアが詰まっているから、ここは楽しいんですね。
田代:ここはHMVの名物「Quiet Corner(クワイエット・コーナー)」。洋楽から始まる音楽のコーナーです。
田代:「Quiet Corner」は、2010年の冬にスタートしたHMVのフリーペーパーの名前なんです。HMVのバイヤーはもちろん、DJ、バーやカフェの店主、デザイナー、音楽家、音楽文筆家など、さまざまな分野で活躍する音楽愛好家の方たちに執筆していただいて、ジャズもワールド・ミュージックも、シンガー・ソングライターものも、ソフトロックも、アンビエントも、エレクトロニカも……新旧問わず様々な音楽の中から、ジャンル・国・年代を超えて、心を鎮めてくれる音楽を集めて紹介しています。ここは本当に「HMV&BOOKS TOKYO」のコンセプトに近いですね。
夢眠:「Quiet Corner」の本もあるんですね!
田代:これは、この店で働いているバイヤーがつくった本なんです。
▼先週の対談で登場した「BIBLIOPHILIC」の読書グッズコーナーも。
夢眠:私の好きな料理コーナーもある! 『ポテト・ブック』、いいですよねー。いいなー。これやばいですね。お金使っちゃうやつですね(笑)。
内沼:使っちゃうやつですね(笑)。
田代:じっくり見ると時間がかかると思いますよ。
夢眠:この間「本好きな人は食器も好きなのでは?」っていう話をしたばっかりなんですが、まんまと食器のコーナーに吸い寄せられますね(笑)。やばい!
田代:これが3フロアあります(笑)。
1フロア見るだけでも何周もしてしまいそうな「HMV&BOOKS TOKYO」の売り場。来週は「生きるヒント」がコンセプトの6階に上がります! お楽しみに。