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1.生産性を高めるにはまず、業務を見直す「ふりかえり」を行う。さらに常日頃から「タスクばらし」で仕事を分解し、重要でない仕事を捨ててしまうことも大事である。
2.メンバー個人に「セルフマネジメント」の力があってこそ、管理をなくして成果をあげる組織を実現できる。
3.ホラクラシーの組織にすることで、社員たちの主体性が増し、生産性が向上する。その上で創造性が求められる仕事をするならば、評価や売上目標などの数字による管理も不要である。
著者が代表を務めるソニックガーデンは、システム開発を行うエンジニア集団だ。この会社には、本社オフィスがない。管理職も部署も評価も、売上目標すらない。
その特徴を聞くと、個人あるいは数人で設立した会社が、単純なデータ入力や記事を書くような仕事だけを受けている姿をイメージするかもしれない。しかしソニックガーデンの社員35人は全員フルタイム勤務で、新卒採用もするし、教育にも投資するという。オフィスを構えるごく当たり前の企業と何ら変わらない部分も多いのである。
そんなソニックガーデンは、どのように組織をコントロールし、経営しているのだろうか。その疑問に答えをくれるのが本書だ。タイトルにある通り、「管理」はいらない。それでもお客さまに新しい価値を提供する創造的な仕事ができるどころか、むしろ効率的だ。そんなことが、本書をお読みいただくと理解できるだろう。
本書内で紹介されているソニックガーデンの実例については、システム開発の会社だからこそ可能な部分も多分にある。しかし管理をなくすことのそもそもの目的は、「組織として圧倒的な成果を出すこと」と「働く個人が圧倒的に楽しく仕事をすること」の両立だ。その実現は、組織として「高い生産性」を実現し、維持できてこそ可能となる。
この目的については、業界業種の違いはあまり関係ないだろう。同じ観点から自分の組織に対する問題意識をお持ちの方であれば、取り入れたいことがきっと見つかる一冊だ。