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今、NHKテキスト「ラジオ英会話」が人気です。
番組で昨年から講師をつとめているのが、『一億人の英文法』など、楽しくわかりやすい英語の解説で知られる大西泰斗さん。
ついつい挫折しがちな語学学習ですが、昨年の「ラジオ英会話」では、「初めて1年間続けられた」という人が続出したそう。その人気の秘密について、同誌編集長の山本紀彦さんに寄稿していただきました。
英語が苦手な人も、ラジオで英会話を学びたくなるコラムです。
講師:大西泰斗(おおにし ひろと)。「自由に話すための英語力」をテーマに、紙媒体の特性を生かしてイラストを使いながら、会話に必要な単語・文法を解説。
おかげさまで、とにかくすごい人気です。
何がって、「ラジオ英会話」のテキストが、です。昨年4月号は22万部発行。売り切れ店が続出し、雑誌としては異例の増刷を2回しました。全国の書店の皆様、ご迷惑をおかけいたしました。その反省を踏まえ、今年は発行部数を5万部増やしていますが、POSなどの実売データでも前年比120%近い数字が出ています。
この人気ぶりは昨年からさまざまなメディアでも取り上げてもらったのですが、何と今年は「女性セブン」(2019年4月18日号)にも掲載されているぐらいです。もちろん、その内容はスキャンダルではない!のですが、それぐらいのインパクトがありますよ「女性セブン」さん。
さて、それではなぜこれほどまでに人気なのでしょうか。
でも、その前に、私がそのことについて述べる資格があるかどうかについてご説明いたします。ふつう雑誌は、編集長と担当の数人チームで作り上げていくと思います。ですがNHKの語学テキストは、どちらかというと単行本に近い。つまり、1誌に1人の専属担当がいます。ということは、編集長は何もしなくてもOK!
だからこそ、私の担当が「ラジオ英会話」や「基礎英語」を含めて、5誌もある訳です。編集長として語れることは、ぶっちゃけ最初に紹介した数字ぐらいです。
おいおい。だいじょうぶか?
ご安心ください!? 私自身が大西メソッドで英語を学んできた生き証人の一人として、その人気の秘密に迫ってみたいと思います。
私が大西先生(の番組)と出会ったのは2005年のこと。当時はビジネス系の出版社で、マーケティングや自己啓発などの書籍を編集していました。もちろん英語は、ほぼど素人レベルです。
そんなとき、「ハートで感じる英文法」というテレビ番組を見たことがきっかけでした。その番組で大西先生に、英語は日本語を置き換えた単なる「記号」ではなく、それ自体が意味を持つ、私たちがふだん使っている日本語と同じ「ことば」なんだ、ということを教えてもらったように思います。
たとえば、いまでは当たり前となったbe going toとwillの違いですが、それまでどちらも同じ「未来を表す表現」だと覚えていた私にとって、「形が違えば意味も異なる」のに気づいたことなど、目からウロコの連続でした。
そこから英語教材の世界にキャリアシフトをし、学び続け、純ジャパとしてはそれなりのレベルまで英語を身につけることができたので、NHK出版で大西先生と再び(実際には初めて)出会うことができ、担当編集長としてこうしてエッセイを書く機会もいただきました。
だから、自信をもって言えます。「ラジオ英会話をおすすめします」。
多くの人が同様のことを、まさに「体感」しているのだと思います。私なりの理解ですが、大西先生の講座は、英語の知識を一つひとつ教えてくれるのではなく、英語を英語のまま理解するための「英語のタネ」とでも言うべきものを私たちの中に植えてくれます。
そして、皆さんが番組を聞き続け学び続けることで、そのタネに自ら水をやり、育てていくことができているのを日々実感している。というわけで、「4月から3月まで続けることができました!」というおたよりを、例年にないほど数多く頂戴しているのだと思います。
最後に宣伝です。昨年度は、高校レベルの英文法をひと通り学びました。これが英会話を自在にあやつる上での骨格です。今年度は英単語にフォーカスします。つまり、その骨格に肉付けをすることで、より生き生きとした表現を使いこなせるようになっていきます。
「昨年聞いてなかったよ」という皆さん、内容をまとめたいい本があります。『NHKラジオ英会話 英文法パーフェクト講義(上・下)』(NHK出版)です。音声ダウンロードで先生の解説も聞けます。いまからでも全然間に合いますよ!
NHK出版「ラジオ英会話」編集長
山本紀彦―YAMAMOTO Norihiko
2013年12月、NHK出版に中途入社。2019年度は「基礎英語0」「基礎英語1」「基礎英語2」「基礎英語3」「ラジオ英会話」を担当。
(「日販通信」2019年6月号「編集長雑記」より転載)
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