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1.30歳という若さでオンデーズの社長になった田中だが、就任当初から数々の困難にぶつかる。幾度となく資金ショートの危機を迎え、そのたびに金策に奔走するのを余儀なくされた。
2.被災地でのボランティア経験を通じて、本当に大事なのは安さやデザインではなく、「メガネをかけて見える素晴らしい世界」そのものだと悟った。
3.ブランドコンセプトをしっかり打ち出したことにより、オンデーズは成長軌道を描き始める。そして周囲の人々に支えられ、黒字倒産の危機も乗り越えていく。
結末がわかっていなかったら、「もう終わったな」と何度思ったことか。
本書『破天荒フェニックス』はオンデーズの社長である田中修治氏が、実際にオンデーズの事業再生中に起きたことをもとに書き上げた自叙伝風フィクションだ。中身はまさにタイトル通りである。とにかく破天荒っぷり、不死鳥っぷりが凄まじい。常人ならとっくに燃え尽きてしまうような場面に何度遭遇しても、そのたびに灰の中から再生し、ふたたび輝きを放つ。およそ常人とは言いがたいが、だからこそ「絶対に倒産する」と言われた企業を、見事再生させることができたのだろう。
本書にはじつにさまざまな人物が登場し、なかには主人公を陥れようとする者も現れる。そのたびに主人公は絶望的な気持ちになるが、それでも結局は人との出逢いに救われる。著者が数々の困難から無事「生還」を果たせたのも、人のつながりがあってこそだ。大志を抱けば同志が生まれる。一見すると向こう見ずな著者の行動力が、最終的には大きな実りをもたらした。数字だけを眺めていたら、けっしてなし得なかった偉業といえる。
挑戦することの難しさ、つらさ、厳しさ、そしてなによりもおもしろさを、これほど雄弁に語った本もなかなかない。単純に読んで楽しむもよし、学びを得ようとするもよし。読み終わる頃にはオンデーズのメガネを買いに行きたくなる、そんな一冊である。
・「ビジネス書グランプリ2019」トークセッションに『破天荒フェニックス』著者・田中修治オンデーズ社長、『the four GAFA』『1分で話せ』編集者が登壇