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夢眠書店開店のため、出版業界の色々な方にねむちゃんがお話を伺いにいく「夢眠書店開店日記」。第7話のテーマはPOPです。前回までに教わったPOP作りの極意を実践すべく、ある絵本をもとにPOPを作ったねむちゃんと内田課長。それでは、できあがったPOPを見てみましょう!
今回の対談相手
内田剛 株式会社三省堂書店 営業本部 営業企画室課長 MD販促担当 兼 販売促進担当
PROFILE
1991年三省堂書店入社。そごう千葉店、成城店などを経て、現在は本部営業企画室で文芸ジャンル担当している。ビブリオは好きだがバトルが苦手な、自称アルパカ書店員。これまでに書いたPOPは3000枚以上で、最近は学校でのPOP講習なども行なっている。
―お二人ともPOPが完成したようですね。さっそく見ていきましょうか。
夢眠ねむ(以下、夢眠):内田さんのPOP、すごーい! 癒し系ですね!
内田剛(以下、内田):あっ、これ、スヌーピーじゃないですからね(笑)。それにしても、ねむさんの作ったホットケーキはすごい再現力ですね。
夢眠:本当ですか? 嬉しい。でも、ただの食いしん坊ですよ。この角を丸めるというのも……教えてもらったことを全部パクるという(笑)。
内田:教わったことをちゃんと実践してくださって(笑)。
夢眠:内田さんのPOPの「みきくけこ」って、どういうことですか……?
内田:答えは「かがみ」と書いてあります。
夢眠:???
内田:かきくけこの「か」が「み」で、「かがみ」。
夢眠:キー! 全然分からなかった!(笑) 鏡に映すと答えが出るのかと思いました。
内田:まんまと術中にはまりましたね(笑)。
―それでは内田さん、ねむちゃんのPOPの講評をお願いします。
夢眠:どうですか?
内田:とても素敵だと思います。
夢眠:ポイントを自分でプレゼンすると、子どもよりも大人向けに「疑似体験ができるよ」ということを表現したんです。
内田:この本の良さを的確に表現していますね。すごくいいと思いますよ。
夢眠:わーい!
内田:このPOPを見て、本を読みたくなりました。
夢眠:本当ですか? 嬉しい!
内田:象徴的なのはフライパンとホットケーキですね。矢印があって、ちゃんと教えを守って。
夢眠:ネタバレになってしまうので悩みましたが。
内田:いえ、導入にはいいですよ。これ使いたいなあ……。
夢眠:えっ、使ってくださるんですか?
内田:もちろん。即戦力のPOPだと思うので、このまま使います。
夢眠:嬉しいー!(拍手)
―それでは今までのPOPも講評していただきましょう。
夢眠:恥ずかしい! 見ないでほしい! 見ないでー!
内田:すごく上手じゃないですか。
夢眠:でもこれは、本のデザインと同じにしちゃったので。それに字を書きすぎたと思って、1回目から少しずつ量を変えていっているんです。言い訳(笑)。
内田:いや、上手ですよ。真面目に使わせてもらいたいです。あんまり言いたくないけれど、僕のPOPのサイズって、このままだと大きいんですよ。実際にお店で使うときには少し縮小するんです。
夢眠:そうなんですか。本がたくさん並んでいるところで見ると、大きく感じるのかな?
内田:これくらいがちょうどいいですね。アクセントになりますから。これ、使います。教わる必要なかったじゃないですか……。
夢眠:でも、切って貼るのは楽しかったです。
内田:これは何で書いているんですか?
夢眠:パソコンです。最近始めたので、画面が汚いんですが。クレヨンとかも使いたいんですが、時間が足りなくて……。私、すぐ締め切りギリギリにしちゃうので。
内田:間に合っているならいいじゃないですか。こんなに世界中を飛び回っているのに、立派ですよ。そうか、データでできる時代なのか……僕、どれだけ取り残されているんだろう(笑)。
夢眠:でも私も、最初はデジタルではやりたくなかったんです。結構かたくなでした。
内田:こんな風に再現できるなら、全然いいです。すぐに店頭で使いたい!
夢眠:私、「POP王お墨付き」っていうPOP作る!(笑)
―それでは、リアル書店への展開第1弾として、今後夢眠書店では毎回POPを三省堂さんに納品するということにしましょうか。
内田:マストで発注します。
夢眠:変な汗が出てきた! でもPOPを3,000枚も書いた方にそう言っていただけると、自信が持てます。
内田:本好きになるための入り口作り、きっかけ作りはとても大切なので、そういう意味で磁石の役割を果たしてくれるPOPだと思います。
夢眠:泣きそう! 私もなんだかんだで本を読むことから遠ざかっていたので、谷崎潤一郎没後50周年のイベントで『春琴抄』を読ませていただいたのをきっかけにいろいろと出版業界にかかわる仕事をできるようになって、すごく感謝しているんです。できるだけ本を売ったり、作る側の仕事もしたりしたいなと思って、この連載をさせていただいてます。
内田:やっぱり「繋げること」と「伝えること」なんですよ、この仕事って。それは、ねむさんの本業でも一緒なんじゃないかなと思います。
―最後に、夢眠書店を開くねむちゃんにメッセージをいただけますか?
内田:本や書店に興味のある人は、いっぱいいるんですよ。僕たちは、そういう潜在的な方たちに、まだまだ訴えかけができていないと思っています。だから、アドバイスをするというよりは、新しい読者や、これまで本にあまり興味のなかった人に興味を持ってもらえるような掘り起こしを、一緒にアイデアを出して工夫しながらやっていきたいと思います。そういう意味で、僕はもう仲間だと思っているので。
夢眠:えー、本当に嬉しい!
内田:同志ですよ、同志。一緒に戦っていきましょう。
夢眠:本を絶対になくしたくないと思います。
内田:本は人間が人間でいるためのライフラインだと、僕は思っています。いい本、人生を変えるような本が、生涯で何冊かは必ずあるはずだし、それを伝えていく、繋げていくことが、僕たちの使命だと思っています。これからも一緒に頑張っていきましょうね。
夢眠:本当に励まされました。ありがとうございました!
感想
「この本を読んでほしい!」という本屋さんからのメッセージが載っているのがPOP。じっくり読んでみると、本屋さんがいろいろなら書店員さんもいろいろ。一番書店の個性が分かりやすく出るところかもしれません。「目的なく本屋に来て、POPに惹かれて本を買った」という経験のある人はもちろん、「本、そんなに買わないなぁ……」という人にも手に取ってもらえるような「POPの極意」を学べました! 目からウロコが落ちるようなこともたくさんあったので、即、夢眠書店に活かしたいです。
第7話は今回でおしまい。次回はこれからのための作戦会議を開きます! この連載を機に出版業界のさまざまな人に会ってきたねむちゃんですが、実際に出版の世界に足を踏み入れた感想はどうだったのでしょうか? そして、これからどんなところに行って、誰にどんなことを教えてもらいたいのでしょうか? 更新をお楽しみに!