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1.文明がここまで発達したにもかかわらず、私たちは依然としてさまざまな問題を抱えている。だがその大半は「文明病」に起因するものであり、個人の意志の弱さや性格に原因があるわけではない。
2.文明病を解決するためには、まず自分が抱える問題の遺伝的なミスマッチを特定し、そのミスマッチを起こしている環境を修正することが必要である。
3.現代人の問題は大きく「炎症」と「不安」に大別できる。炎症を防ぐうえでもっとも手軽でメリットが多いのは自然との接触を増やすことであり、不安に対処するうえでもっとも重要なのは価値観を固めることだ。
一日寝て起きても疲れが取れず、体がだるい。会社に行っても仕事に集中できず、ミスしてしまう。なんだか能率が悪いと感じる。内臓脂肪が増えて、メタボリックシンドロームと診断されてしまった――。高度に発展した現代においてさえ、私たちはこうした問題を解決できないでいる。
健康上の問題とビジネス上の問題は、ともすると別々のものとして扱われがちだ。だが本書はより根本的な解決法を提示する。それが「進化医学」という視点である。
人類が農耕社会へ移行したのはわずか1〜2万年前のこと。約600万年ものあいだ、人類は狩猟採集生活を営んでおり、私たちの体もそうした環境に適応するべく進化してきた。その前提を無視して、たとえば「風邪をひいたら風邪薬を飲む」という対処療法だけをしていても、本当の解決にはならないというのが著者の主張である。
やせたくてもつい高カロリーな食事を選んでしまうのも、じつは人類の体に古代から染みこんだ遺伝的な性質が関係しているという。意志の弱さが原因だと安易に考えていては、的を射たアプローチはできない。ぜひ本書を参考に、「最高の体調」を手に入れてみてはいかがだろう。