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2016年4月に閣議決定された「初等教育におけるプログラミング教育の義務化」。
小学校では稲作の体験授業を通してお米について学びますが、それと同じように、コンピュータだらけの現代社会に生きる子どもたちが「コンピュータの仕組みや、それを活用するために必要なプログラミングの仕組み」を教養として身につけるための授業が行われることになりました。
小学校で2020年度から、中学校で2021年度から、高等学校で2022年度から、プログラミング教育がスタートします。
実はこれ、日本だけの話ではなく、世界的なムーブメントです。
フィンランドの教育省大臣が、コンピュータサイエンスの義務教育化を発表したとき、こんなふうに述べています。
「全員をITエンジニアにすることを目指しているわけではなく、AIだらけの世の中になったとき、コンピュータが突然動かなくてもパニックにならないための基本スキルをつけさせたい」
今日の義務教育化の流れは、平たく言ってしまえばこういうことだとご理解ください。
そんなわけで、2016年4月に突然「こどもプログラミング書籍」というジャンルができました(笑)。
当初、このジャンルの商品が売れていたのは主にネット書店です。
たとえば、2016年5月発売の『ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング』は、刊行直後にネット書店のシェアが8割を超えていました。その後、月を追うごとにリアル書店のシェアが高くなっていることが下のグラフからおわかりいただけると思います。
▼『ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング』
リアル書店での売上シェア 新刊期間3か月の推移(翔泳社調べ)
『ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング』発売直後のトピック
2016年5月19日 発売
2016年5月25日 アマゾン和書2位
2016年6月
・CPU子どもプログラミング書籍フェア開始
・トーハン「本を植える」プロジェクトに採用
2016年7月29日~31日 著者リンダ・リウカス氏来日、イベント開催
この現象の要因として推測できるのは、次のようなことではないでしょうか。
○こどもプログラミング書籍を展開するお店(リアル書店)が増えている
○プログラミングができる子どもたちは習得レベルがさまざま
→ネット書店で本の中身を見ないで買うとミスマッチが起きやすい
→リアル書店で内容を確かめてから購入するケースが増えている
では、実際にこどもプログラミング書籍を買っているのはどんな人たちでしょうか?
ネット書店の読者レビューには、「こどもプログラミング書籍を読んで学び直した」という声がたくさんあります。今までプログラミング入門書で挫折してきた大人たちのコメントです。
そんなわけで、現時点では「プログラミングを学ぼうとする大人」「初等教育で学ぶ機会を得なかった子どもを持つ親」「これから授業を受け持つことになる先生」たちも、書店で購入していると推測されます。
こどもプログラミング書籍には、大きく分けて次の2つのジャンルがあります。
①コンピュータやプログラミングの仕組みを学ぶ絵本・読み物
②実機を使ってプログラミングを体験する解説本
手始めに「絵本」を読んだ後に、楽しくプログラミングを学べる「ビスケット」「Scratch」、その後、実際に作ったプログラムと連動して動く「micro:bit」「マインクラフトプログラミング」などがおすすめです。
▼最初に読む本としてのおすすめは「絵本」。
▼次に、実機を使ってプログラミングを体験する解説本。
▼続いて、実際に作ったプログラムを動かしながら学べる本。
一人でも多くの子どもたちに「コンピュータってすげー」「プログラミングっておもしろい!」「コンピュータは自分の相棒だ」と感じてほしい―― 私たち出版社は、そんな願いを込めてこどもプログラミング書籍を作っています。
こどもプログラミング書籍は、子どもたちにとっての「未来へのパスポート」なのです。
(文・コンピュータ出版販売研究機構(CPU)会長
翔泳社 取締役 岩切晃子)
※本記事は、「日販通信」2018年12月号に掲載された「特集 2019年度新学期の学参増売に向けて」の転載(一部編集)です。
・子どもにさせたい習い事第2位!プログラミングを絵本『ルビィのぼうけん』で学ぶ
・プログラミング必修化!どうする?子どもに何をさせる?おすすめ本をまとめてみた