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  • ディズニー流・究極の人材育成術。たった3日で人とチームを変えるカリスマトレーナーがやっていること

    2018年12月22日
    知る・学ぶ
    ほんのひきだし編集部
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    いつ行っても、心からのおもてなしで迎えてくれるディズニーキャストたち。実は、たった3日の研修で表舞台にデビューしています。

    今回は、たんに褒める・叱るだけではない、ディズニートレーナーの「魔法の育て方」について紹介します。

     

    「守るべきこと」は、4つ以内に抑える

    ディズニーのキャストたちが臨機応変にホスピタリティを発揮し、いきいきと働いているのを見て、「いったいどんな教育をしたらこんなふうに動けるのか」と驚く人は多くいるでしょう。

    しかし、ディズニーの企業理念である「ゲストのハピネスを提供する」ということを実現するための行動基準は、実はとてもシンプルなもの。それが、ディズニーのキャストなら知らない人はまずいない「SCSE」という行動基準です。

    <ディズニーキャストの行動基準「SCSE」>

    S:安全(SAFETY)
    ゲストや施設はもちろん、キャスト自身の安全も含め、もっとも重視されています。フードなどの品質管理基準も国の基準よりはるかに厳しくなっています。

    C:礼儀(COURTESY)
    作法だけではなく、相手の立場に立ったホスピタリティも含まれます。研修では特に、挨拶、笑顔、言葉遣い、アイコンタクトについて重点的にチェックされます。

    S:ショー(SHOW)
    「目に触れるものはすべてがショー」という考え方から、身だしなみや立ち振る舞いを常に意識します。清掃からゲスト対応まであらゆるシーンで求められます。

    E:効率(EFFICIENCY)
    ゲストのためにチームワークを発揮し、より効率的に動くという考え方です。ゲストに待ち時間を長く感じさせないための工夫などが、ここにあたります。

    「4」という数字は、実は心理学的にも理にかなったもの。人が一度に処理できる情報量には限界があり、どうやらその上限が4つであるということが明らかになってきているのです。

    そうしたことから最近の心理学では、短期記憶において「4」が「マジカルナンバー」と言われています。この発想は、メンバーに仕事における原理原則を伝える際にも活用できます。

    ルールをつくったり理念を示したりする時には、最大でも4つに絞ったうえで伝えたほうが、より深く浸透し実行度も高くなるでしょう。

    また仕事を与える際にも、ひとつの案件に対して「AとBを注意して、Cを確認してから、Dを実行してほしい」というように、タスクを4つ以内に収めると、より成果が上がりやすいはずです。ぜひ意識してみてください。

     

    マニュアルは暗記させなくていい

    ディズニーのキャストには、実はマニュアルが存在しません。

    どのボタンを押せばアトラクションが動くか、止まるか、といったような動作を記した手順書はあります。しかし、「お辞儀の角度」「笑顔のつくり方」というようなサービスマニュアルは存在せず、キャストは企業理念である「ゲストのハピネスを提供する」ことと、「SCSE」という行動基準以外、ほぼ従うべき事項はないのです。

    以前、パーク内のレストランのキャストが、男性のゲストからこんな相談を受けたことがありました。「サプライズでプロポーズしたいから、婚約指輪を料理に隠してくれませんか」。

    キャストは、基本的にゲストから物を預からないということは共通認識になっています。これはもちろん、万が一無くしたり、壊したりしたら大変だからです。しかしそのキャストは、婚約指輪を預かり、ディナーコースの締めくくりであるデザートの中に忍ばせました。

    そして結果的に、プロポーズは大成功。後日、その男性ゲストからキャスト宛に一通の手紙が届きました。「あなたのおかげで、私たち夫婦にとって一生忘れられない思い出になりました。もしよければ、結婚式に出席してもらえませんか」と、そこには感謝の気持ちが綴られていたのです。

    このキャストがなぜこのような行動をしたのかといえば、ディズニーの企業理念である「ゲストにハピネスを提供する」ことを優先させたからにほかなりません。そして、それをリーダーに事後報告したところ、大いにキャストは褒められたといいます。つまりリーダーもまた、同じ価値観を持っているのです。

    あなたが人を育てる時にも、サービスマニュアルを暗記させるのではなく、まずはディズニー流に「スタッフとしてこうあってほしい」という理念と、大切にすべき「行動基準」をしっかりと伝え、そのうえで判断を任せてみてはどうでしょうか。

     

    頼みごとをする時は、理由も添える

    ディズニーでは、キャストの「モチベーション」を何よりも大切にしています。そのためキャストに対し、指示を押し付け、頭ごなしに従わせるようなことは行いません。どうやって指示を出しているかといえば、必ずその行動の裏にある「理由」も合わせて伝えるようにしています。

    たとえばパーク内の清掃を担当するカストーディアルキャストは、「チリトリは、腰骨のあたりに着けて持ちましょう」ということを教えますが、その際に必ず「走ってきた子どもなどにチリトリが当たることを防ぐため」という理由も添えます。こうすることで、メンバーも納得してそれに従うことができるのです。

    ところでアメリカの心理学者エドワード・デシは、リーダーはメンバーの「内発的な欲求」を満たすことがモチベーションにつながると説いています。内発的な欲求とは、要約すると次の3つです。

    1. 自分の意思で自発的に行動を決定したいという「自律性の欲求」
    2. 自分の持つ能力を発揮して目標を達成したいという「有能さへの欲求」
    3. 周囲との結びつきを得、自分の価値を認められたいという「関係性の欲求」

    では、具体的にどのようなことを意識すればいいのでしょうか。

    冒頭で登場した「指示する時には理由を添える」というのは、本人が納得した上で行動してもらうための手法であり、「自律性の欲求」を満たします。もう一つ、モチベーションアップにつながるノウハウは「うまく目標設定を行う」ということです。

    まず、できるだけ「具体的」に目標を設定することで、それを達成したいという「有能さへの欲求」が刺激されます。やるべきことに対し、リーダーが「とにかくがんばろう」と言ってばかりでは、目指すべきところがわかりません。「今期の目標は○○円で、あと○○円で達成できるから、がんばろう」というように、数字や事実などで明確に伝える必要があります。

    また、この目標を本人に定めてもらうように計らうことができれば、「自律性の欲求」を満たすことにつながります。さらに、目標を仲間の前であらかじめ発表することで「関係性の欲求」も上がるのです。

    これらをうまく組み合わせれば、あなたのメンバーもディズニーのキャストのようにモチベーション高く働いてくれるでしょう。

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    著者:櫻井恵里子
    発売日:2017年04月
    発行所:サンクチュアリ出版
    価格:1,404円(税込)
    ISBNコード:9784801400399


    ※本記事は、サンクチュアリ出版WEBマガジンに2017年9月29日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。 




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