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オリエンタルラジオや音楽グループ「RADIO FISH」だけでなく、音楽ユニットのプロデュースやオンラインサロンの開設など、活動の幅を広げている中田敦彦さん。
そんな中田さんの新刊、『僕たちはどう伝えるか』が9月19日(水)に発売されました。
これまで、高校生向けの指南書『大合格』や、自分の才能を開花させるためのビジネス書『天才の証明』を書いてきた中田さんが、今作のテーマに選んだのは「伝え方」。
さまざまな挑戦のなかで身につけてきた、中田さんの武器ともいえる「プレゼンテーションの極意」を、自身の経験談や偉人たちのエピソードをまじえて解説しています。
人類の武器は核兵器やミサイルなどの「武力」ではない。
人類の本当の武器。それは「伝達能力」である。
人類は単体で生きるにはあまりにも非力にできている。虎や鮫には1対1で敵うべくもないが、似たような種類の動物の中でも人間は最弱だ。素早さは猿に劣り、力はゴリラに劣る。
「人間は、頭がいいから勝った」と理解している人が多いがそれは厳密ではない。単体で言えば、生きる知恵にたけた動物なら他にもいるだろう。
人類は「連携できたから勝った」のである。仲間を作る。組織を作る。すると人類は単体の数千倍の力を発揮する。
人類は地球最強の「群体生命体」なのである。
誰もが人間関係に悩むのは心が弱いからではない。それが、もっとも重要な「生存競争」だからだ。
(本書P.5~6より引用)
人が生きていく上で人間関係は避けられないものですが、人がすべて同じ価値観を持っていることはありえません。しかも、家族、学校、会社、国、世界……とコミュニティが広がるほどに、価値観の幅はどんどん広がっていきます。
中田さんは、その多様な価値観の中で生き抜くにあたり重要なのが「伝達能力」だといいます。「自分の価値観を伝えること」が出来るか出来ないかで、生きやすさが変わってくるのです。
したがって、人に伝える技術、つまり「プレゼンテーションのコツ」をつかむことで、自分が思い描く人生を歩めるといえます。
中田さんは、自身を「神経質で暗い人」と表現しています。しかし、プレゼンテーションの良し悪しは性格で決まるものではありません。「プレゼンテーションのコツ」を知っているか知らないかの違いなのです。
例えば「緊張」について、中田さんはこう分析しています。
この世に緊張しない人はいない。
緊張と上手くつき合う方法を知っているかいないかなのだ。緊張と上手くつき合うために、わかっておいてほしいことがある。それは、緊張には「いい緊張」と「悪い緊張」の二種類があるということだ。
いい緊張とは「しっかり準備したのだから失敗したくない」という緊張。悪い緊張とは「あんまり準備しなかったから失敗するかもしれない」という緊張。
(本書P.89~90より引用)
慣れないシチュエーションや大事な局面であればあるほど、人は緊張するもの。
緊張することを否定せず、その質を整えて付き合っていくべきだと中田さんはいいます。そのためには、緊張の質の変え方を知らなければなりません。
では、緊張を良いものに変える準備とはどんなものなのでしょうか。中田さんはこう続けます。
では、どう準備するのか。原稿を書いて、読んでみることは大切だ。だが、まだそれは練習ではない。練習の手前だ。
練習とは「人前で実際に話してみること」である。まだ未完成だと思っても、話してみる。そうすることで頭に入っていく。
それを何人か違う人に試してみる。ある人はすんなり理解してくれたポイントも、別の人は引っかかったりする。
その繰り返しが、話をどんどんブラッシュアップしていく。
(本書P.92~93より引用)
テレビ番組で、いともたやすく、面白くてわかりやすい話をしているように見える中田さんも、本番に臨む前は奥さんやスタッフに何回も話してみるそう。
中田さん自身が「神経質で暗い人」だからこそ、準備を怠ることなく「いい緊張」で集中し最高のパフォーマンスに仕上げていたのです。
緊張の正体と、その対処法を知ることによって、どんな人でも緊張をプレゼンテーション力の向上に繋げることが出来ます。
時代が我々に問うている。「僕たちはどう伝えるか」と。
その答えは全て、この本に書いた。最高の本に仕上がっている。
あとは読むだけだ。大丈夫。30分で、読破できる。
(本書P.9~10より引用)
本書に難しい言葉や理論は一切ありません。中田さんがこれまでの経験で培った「プレゼンテーションのコツ」を丁寧に分析して解説しているため、納得しながら読み進めることができます。
内容は濃厚なのに、本当に30分で読めてしまうという読みやすさも魅力です。
生き抜くために必要なのは「伝え方のコツを知り、変わろうとすること」。人生の壁にぶつかり困った時に、その都度立ち返って読みたい一冊です。