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発売前から話題になっていた『リアルサイズ古生物図鑑』が、7月21日(土)、ついに発売されました。
反響を受け、すでに2度目の重版が決定している本書。その内容は「古生物を現代の風景に配置し、より直感的に彼らの大きさを把握する」というものです。
はるか昔に存在していた古生物たちを、私たちの日常に連れてくるというワクワク感。
今回は『リアルサイズ古生物図鑑』の魅力を、ビジュアルとともに紹介します。
かつて地球上に生息していた地質時代の生き物、古生物。アンモナイトや三葉虫といった比較的小さなものから、恐竜やマンモスなどの大きな生きものまで、その種類はさまざまです。
地質時代は「先カンブリア時代」「古生代」「中生代」「新生代」に大きくわけられ、今回紹介する図鑑に掲載されているのは、2番目に古い「古生代」の生きものたち。人類が誕生するよりずっと前に生きていた生物ですが、そのうちシーラカンスは、現存する種として水族館などに展示されています。
「さあさあ、見ていってよ。今日は、アノマロカリスが入ってるよ。ぷりっぷりの触手は焼いてオイシ、胴体は捌いて酢漬けにすればコリコリで、肝は酒の肴に最高さ。お値段、勉強するよ! さあさあ」そんな威勢の良い声が聞こえてきそうだ。(本書より抜粋)
サバやタイが並ぶ魚屋の店先、どこにアノマロカリスがいるか見つかりましたか?
古生代前期・カンブリア紀を代表する海洋生物のアノマロカリスは、全長数十センチから最大で1メートルほどとされています。
実はこのサイズ感は、魚屋に並ぶ海産物たちと大差ない大きさ。たとえば鯛なら、出回っているのは30センチから50センチくらいのものがほとんど、居酒屋などでよく食べるホッケも、全長は60センチ程度です。可食部がどれくらいあるのかはわかりませんが、全長から考えると、アノマロカリスは宴会で食べるのにちょうどいいかもしれません。
ただしこのアノマロカリス、生きていたとされる時代ではほとんどの動物が10センチ未満だったため、当時の生態系においては非常に大きな個体だったそう。
カンブリア紀の海がどんなようすだったのかにも想像が膨らみます。
▼ちなみにアノマロカリスにはいくつか種類があります。もし勢揃いしていたら、こんな感じで売られていたかも……。
続いて紹介するのは、カンブリア紀の甲殻類・カンブロパキコーペ。宇宙飛行士みたいな外見でインパクトがあるのですが、実は全長2ミリというかなり小さな生き物です。
写真からもわかるように、全長2ミリというのはボールペンの先に乗るほどの大きさ。公園などでよく見るクロオオアリの3分の1くらいしかありません。
ちなみに本書によれば、机の上でカンブロパキコーペを見かけたら、潰したり飛ばしたりしてしまわないよう、髪の毛を1本取って毛先に水をつけ、やさしく拾って水槽に移すのがよいそうです。
一般的な図鑑にも、生態やなりたちだけでなく、個体の大きさは書かれています。
ただ、昆虫や動物なら実物を見て確認できるのですが、古生物は絶滅しているだけあって、実際に模型を作ってみないことにはいまいち大きさがピンとこないのです。
『リアルサイズ古生物図鑑』は、そんな“スケール感”をリアルに感じるべく制作された一冊。
正面だけでなく上面・底面・側面からも描かれているので、より実際の姿をイメージすることができます。
現在発売されているのは「古生代編」。続編の刊行も楽しみです。