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最先端のテクノロジーやビジネスの分野で注目を集める、落合陽一さんと堀江貴文さん。
4月5日(木)、お2人の共著『10年後の仕事図鑑』が発売されました。AIや仮想通貨など新しい技術の台頭により、働き方・会社・社会が大きく変わるであろう「10年後の未来」について、それぞれの意見が述べられた一冊です。
本質的に重要なのは、「価値ある仕事に就く」のではなく、「価値ある仕事を創出する」主体性だ。
(本書p.252より引用)
本書によれば、「定型的な作業に従事する仕事」はAIに代替されてゆき、「会社から言われたことしかできない会社員」は淘汰されていくそうです。管理職や専門性の高い仕事であっても、業務の内容によってはAIに代替される可能性が高いのだとか。
AIの得意分野は、ビッグデータを統計的に解析して最適解を導き出すこと。この観点からすると、「人材を適性に配置・管理する」だけの管理職や、法曹関係・会計士など「データベースを根拠に判断する」仕事はAIに代替されていくのだそうです。
では、AIに代替されない仕事とは、どのようなものなのでしょうか。機械が真似できない人材とは、どのような人なのでしょうか。
落合さんによれば、それは「複雑性の高い職業をかけもちしている人材」。
例えば落合さんは、メディアアーティストのほかに、教育者、研究者、経営者という顔をもっています。落合さんの働き方のなかでは、これら4つの活動が有機的に結びつき、価値やお金を生んでいるのだそうです。
本書のChapter2では「10年後になくなる仕事・減る仕事」が予想されており、落合さんの4つの職業はそれぞれAIに全部、または一部代替される可能性が高いものです。
しかし、これら4つの職業の特性をすべてかけあわせたAIは、ニッチ過ぎて開発コストに見合わない可能性が高いそう。すなわち、落合さんの働き方はAIに代替されにくいということになります。
このような価値を身につけることが、これからの時代を生きる上で有効な一手であるとされています。
では、どうすればそのような価値を身につけることができるのでしょうか。
堀江さんによれば、目指すべきは「遊びのプロ」だとのこと。アプリのプロデュースや宇宙ロケットの開発など、数多くの事業を手がけている堀江さん。しかし、そのすべては仕事ではなく、趣味なのだそうです。
ハマるように没頭できるのは、仕事ではなくて趣味だから。それゆえに、複数の事業に対して全力投球できるのだとか。
嫌々働いていたところで、必死になって働いている人に負けてしまうことは目に見えている。それなら、勝ち負けなんて考えず、好きなことに没頭しよう。没頭しているうちに、君は唯一無二の存在になっている。
(本書p.123より引用)
堀江さんは、元リクルート社フェロー・藤原和博さんの言葉を引用し、「100万分の1のレア人材」になることの重要性を説いています。
1つの分野で100万分の1の人材になるのは大変ですが、100分の1くらいであれば、好きなことに没頭すればなれる可能性は高いでしょう。このような分野を3つもてば、「100分の1×100分の1×100分の1」で「100万分の1」の人材になることができます。
取り組む分野は、現存する職業に準じたものである必要はありません。今ある職業が将来ある保証はないし、新しい職業なんていくらでも出てくるからです。だから、取り組む分野はとことん「自分の好きなこと」でいい、というのが堀江さんの主張です。
その上で、Chapter3ではこれから「生まれる仕事・伸びる仕事」を予想。総じて「アーティスティック」「お客さんのつき方が属人的」といった要素が強い仕事は、AIに代替されにくいようです。
たとえば、創意工夫を凝らす職人や、個人経営のお店。スナックのように「ママに会いたいから」といった属人的な理由でお客さんが来る仕事は、AIが絶対に仕事を奪えない典型例だとのこと。これらの職業で成功する人は、仕事に対しての義務感よりも、「その仕事が好き」という感情が先行しているのかもしれません。
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そのほか、お金や経済、教育や高齢化といった社会問題などについて、お2人の提言が満載。キャッチーなイラストと専門用語への注釈がついているため、ふだんビジネス書を読みなれていない方でも理解しやすい内容となっています。
4月に入り新年度がスタートした今、自分の在り方や働き方を見つめなおすきっかけにしたい、そんな一冊です。
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