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次代の働き方を見すえた提言で注目を集める、実業家の堀江貴文さん。昨年5月に発売された『多動力』は、累計発行部数が25万部を突破するベストセラーとなっています。
そんな堀江さんの最新刊『属さない勇気』が、3月12日(月)に発売されました。
本書は『人生はカネじゃない!』『バカは最強の法則』に続く、漫画『闇金ウシジマくん』とのコラボシリーズ第3弾。作中の名シーンを引用しながら、堀江さんの思考を漫画仕立てでわかりやすく解説しています。
『属さない勇気』の主人公は、テレビ番組制作会社でアシスタントディレクターとして働く林田マサミ。あこがれのテレビ業界に入れたものの、安い給料や過酷な労働環境に疑問を感じています。
本書ではそんなマサミが、仕事を通じて出会った“ホリー”という実業家との交流を通し、新たな価値観を身につけていく様子が描かれています。
ストリート系のファッションに身を包みながら、“あの人”に酷似しているホリー。彼の教えは、大きく次の6つにまとめられます。
1.ライブ体験は“糧にならない”
――思想や考えは著書やメルマガで学ぶ
2.マジメすぎる転落者たちの思考
――物事を知らないマジメな人は搾取される
3.仕事も人生も「手ぶら」でいい
――「家があれば安泰」はまったくの幻想
4.思考停止を生む“グリップ”の正体
――「褒められたがりくん」はいちばん厄介
5.ビジネスに感情は持ち込まない
――裏切り行為に対する「秒速の対処法」
6.上場企業が時代遅れになる!?
――プライドのないバカこそ最強である
本記事では、このうち第3項「仕事も人生も『手ぶら』でいい」、第5項「ビジネスに感情は持ち込まない」について中身を見ていきたいと思います。
「○歳までにマイホームを買わなきゃ……」「結婚しなきゃ……」そんな、世間一般の通念にあわせた選択をした結果、余計な苦労を抱え込んでしまっている人が多いそうです。
ホリーによれば、これは「楽しく生きるというより、安定的な環境で平凡に暮らすのが一番の幸せ」と考える旧世代の価値観に合わせた結果。
マイホームも結婚も、得られるリターンに対してコストが高すぎるといいます。たとえば、マイホームは平均で6千万円の生涯コストがかかりますし、結婚して家族を養うとなると平均で7千万円以上の生涯コストがかかります。周囲の評価や世間体のためだけに、これだけのリスクを抱えこむのは得策ではない、というのが本書の主張。
一方、ホリーはホテル暮らしで、荷物も最低限のものしか持っていないそうです。仕事もプライベートも、持ち歩くのはスマホのみ。彼にとっては、このスタイルが効率的かつ快適なのだとのこと。
また、現代では「シェアリングエコノミー」という、「ものを持つのではなく、共有する」考え方が広まりはじめ、いっそう「ものを持つこと」にこだわる必要がなくなってきたといいます。
従来の価値観に振り回されず、自分にとって本当に必要なものだけを持ち、好きなように生きなさいと説く一章です。
「自分が企画・実施して成功させた仕事の手柄を、上司に奪われた!」
「会社がピンチの局面で、部下に手の平を返された!」
一生の怨みとしてくすぶりそうな「裏切り行為」ですが、ホリーの考え方は違います。「人は平気で裏切る」と彼は断言します。
ホリーによれば、「裏切られた」というのは当人の定義にすぎず、裏切った側はその自覚すらないことが多いそうです。「裏切られた」と感じるということは、それだけ相手との信頼関係が深いと思っていたということ。しかし、相手も同じだけの感情をこちらに抱いていたかどうかはわかりません。
裏切るような人間を近づけないよう、人間性を精査する目を養うことが肝心ですが、裏切られたら裏切られたで、さっさと忘れて新たな人間関係を築くことに注力するほうが建設的だといいます。
究極的には、「仕事の人間関係に感情を持ち込まない」ことが得策だとのこと。「信用」を基準につき合う相手を決めるのも一手ですが、そこには感情的なバイアスがかかりがち。「仕事の人間関係は、利用できるかどうかを基準にする」ことが、精神的ダメージを最小限にするための有効策だとのことです。
従来の価値観に真っ向からぶつかる教えが満載の、『属さない勇気』。
しかし、ブロガーやユーチューバーといった「フリー」の人間がコンテンツの発信者として力をつけていたり、クラウドファンディングによる資金調達の成功事例が増えていたりと、新しい働き方・生き方が市民権を得つつあるのも事実です。
組織に身を置くことに疑問を感じている人や、新しい働き方を模索している人には、本書が何らかのヒントを与えてくれるかもしれませんよ。
堀江さんと『闇金ウシジマくん』コラボシリーズ前2作を未読の方は、あわせて手に取ってみてください。
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