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「夢眠書店開店日記」のこれまでの連載をまとめて、昨年11月に刊行された『本の本―夢眠書店、はじめます―』。「夢眠書店開店日記」第16話では、「ブックディレクターに憧れていた」というねむちゃんが『本の本』の装幀に挑戦しています!
前回は、本文に使うフォントを選んだねむちゃん。今回は「紙」を選びます! そして『本の本』に施した“ある仕掛け”の正体も明らかに……!? それではご覧ください。
(写真左)新潮社 装幀部 二宮由希子
1964年生まれ。芸術新潮編集部を経て装幀部へ。イラストレーションやデザインが好きで、会社勤めのかたわらセツ・モードセミナーやパレットクラブスクール、鳥海修氏の文字塾に学んだ。
(写真右)新潮社 装幀部部長 黒田貴
1964年生まれ。多摩美術大学デザイン学科卒業(ねむちゃんの先輩!)。東京書籍を経て、1995年より新潮社装幀部に勤務。
〈こちらの方にもご協力いただきました〉
新潮社 新潮文庫編集部 小川寛太
1987年生まれ。営業部を経て、文庫編集部へ。『本の本―夢眠書店、はじめます―』の編集を担当した。
二宮:さて、束見本ができあがりましたよ。2種類あります。
夢眠:重さが全然違う……。紙の厚さが違うからですか?
二宮:そうです! 軽いほうが「オペラクリアマックス」、重いほうが「b7ナチュラル」という紙ですね。「b7ナチュラル」は、カラー写真がすごくきれいに印刷されるんですよ。
夢眠:なるほど。でも、ちょっと固くてめくりづらいですね。あと、白っぽいのが少しイメージと違うかも。
二宮:そうですよね。最初に作ったのがこの束見本だったんですが、私もあまりしっくりこなかったんです。それで「オペラクリアマックス」で束見本を作りました。
夢眠:ふむふむ……めくりやすい。
二宮:こっちは書籍の本文紙によく使われる紙です。写真もきれいに印刷できますし、クリーム色っぽくて手触りがやわらかいですよね。
黒田:もっと軽い紙もあるんですが、焼けやすくて保存性が悪いんです。「オペラクリアマックス」は中性紙で焼けにくいんですよ。
夢眠:よし、ではこっちにします!
二宮:せっかくなので、束見本は記念に差し上げますね。
夢眠:えっ、いいんですか? わーい、嬉しいです!
黒田:ちなみに、実際の本はすべて機械で作るんですが、束見本は製本所で手作りされているんですよ。文庫はあらかじめ使うものが決まっていることが多いんですが、単行本は一つひとつスペックが異なるので、こうやって束見本を作って確かめるんです。
夢眠:形は同じでも、重さや固さが全然違いましたね。
黒田:そうなんです。実際に手に取って開いてみて、思っていた感じと違うっていうことはよくあるんですよ。