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大好きな本をもっとたくさんの人に読んでもらうため、「夢眠書店」を開店することになったねむちゃん。「本ってどういうもの?(第1話)」「本屋さんってどんな仕事?(第2話)」と調べたあとは、やっぱり作るところに興味が出てきたようです。
「先生、原稿どうなってるんですか!?」と作家さんを追いかけているイメージが強い編集者さんだけど、実際はどんなことをしているんだろう?第153回芥川賞を受賞した又吉直樹『火花』を編集した、文藝春秋の浅井さんに取材に行ってきました。
浅井茉莉子 株式会社文藝春秋「文學界」編集部
PROFILE
文藝春秋入社後「週刊文春」「別冊文藝春秋」を経て、現在「文學界」編集部。
夢眠ねむ(以下、夢眠):そもそもなんですが、昔から本がお好きなんですか?
浅井茉莉子(以下、浅井):好きでした。本と漫画が好きでしたね。
夢眠:漫画も好きだったんですね!
浅井:はい、大好きでしたね。小学生の頃からずっと読んできたような気がします。
夢眠:その頃から「将来的には本の仕事がしたいなあ」って考えていたんですか?
浅井:ぼんやり考えていました。編集者が何をするかはよく分かっていなかったんですけれど、「本を作りたいな」って。
夢眠:「書きたい」というよりは「作りたい」だったんですね。
浅井:そうですね。なので、就職活動の時には出版社を中心に受けました。
夢眠:私、聞いたんですよ!「出版社はなかなか入れない」「選ばれし者しか入れない」って。
浅井:運と相性だと思いますよ(笑)。
夢眠:もちろん、実力があったうえでだと思いますけれど。相性って大切なんでしょうね。
浅井:私って本当にぼーっとした大学生だったので、よく入れてくれたなと(笑)。
夢眠:入社されてからはバリバリ働かれたんでしょうね。最初から編集のお仕事をされていたんですか?
浅井:入社後すぐは、「週刊文春」という週刊誌に配属されて、記者をやっていたんですよ。
夢眠:記者!?
浅井:だから、最初は事件取材や皇室取材をしていたんです。ピンポン押したりして。
夢眠:えー!最初からそんなハードワークを!
浅井:そうなんです。「私、何になったんだっけ?」と思いながら。でも、そこでちょっとだけ根性が叩き直されたというか(笑)。
夢眠:ぼーっとしている大学生から、ゴリゴリいける記者に!記者って、いきなり記者になったりするんですね。
浅井:そうなんですよ、いきなりなるんです。そこですごく合えば、週刊誌やノン・フィクションの方面でやっていくと思うんですけれど、私はもともと文芸に行きたかったので希望を出して、2年で異動になりました。
夢眠:それで編集さんになったんですね。私、作家に憧れがあるんです。編集さんの「まだですか?」って電話から逃げたいっていう……(笑)。
浅井:逃げられたら困ります(笑)。
夢眠:作家さんにそれぞれ担当編集者がつくというイメージですか?
浅井:そうですね。編集者は、1人あたり40人くらいの作家さんを担当しています。
夢眠:1人で40人!?そんなにいたら、絶対原稿から逃げる人もいますよね?
浅井:40人の中にもグラデーションがあるんですよ。後々書いていただく方や、まだ挨拶しただけの方もいるので、担当しているのは今書いてもらっている方だけではないんです。
夢眠:「構想◯◯年」というフレーズもよく見ますが、小説って1日でできるものではないじゃないですか。編集さんは、そういう方たちを支えているんですね。
浅井:うーん……支えられているかは分からないですけれど、電話やメールで連絡を取ったり、飲みに行ったりご飯を食べに行ったりしていますね。
夢眠:そうやってモチベーションを上げたりも?
浅井:そうですね。お話しつつ。
夢眠:「こういうの書きたいんだよね」っていう構想段階でも、編集さんは寄り添ってくれるんですか?
浅井:はい。「こういうものが書きたい」って言われたら、それに関する資料を集めたり。
夢眠:えっ、いい人!!
浅井:一緒に取材に行ったりとかも。
夢眠:私が「ファーストフードについて書きたい」って言ったら、一緒に食べに行ってくれたりもするんですか?
浅井:そうですね。食べにも行きますし、本社に取材依頼を出したりもします。
夢眠:いろんな人がいろんなペースで書いてるのを見ているんですね。なんだかクラス担任の先生みたい。
浅井:その表現はとても合っていると思います。クラス担任みたいなものですね。40人いると、たくさん話してくれる方も、遠くから見ているだけの方もいます。そんなことを言ってはいけないのですが。
あの『火花』を編集した浅井さん。最初のキャリアが記者だったとは、驚きですね。次回は「どうすれば作家になれるの?」「又吉直樹さんに原稿を依頼した時って、どうだったの?」を教えていただきます。お楽しみに!