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――『「言葉にできる」は武器になる。』には、「言葉を発するテクニックに関する本はたくさんある」ということも書かれていました。本書では具体的な“言い回し”も紹介されてはいますけれど、本筋はそこではないですよね。
網野:先ほどもお話したように、本書の主題は第1章・第2章にあります。それは「言い回しよりも、自分の言葉で相手にものを言えることが大切」という思いが軸になっているからです。考え方が本当にシンプルなので、第1章・第2章の内容を理解するのはきっと難しくないと思います。読んで理解していただいたうえで、第3章で紹介した具体的なテクニックを参考にしながら、伝え方を磨いていっていただきたいですね。
――コピーライターって、もともとひらめきのセンスが優れている人がなるものなんだと思っていました。シンプルでも刺さるコピーが生まれた背景には、こういった考え方や姿勢が常にあるんですね。
――当初はご自身や梅田さんの“職場の後輩”をターゲットにしていたということですが、実際の反応はいかがでしたか?
玉井:発売のタイミングが8月下旬だったので、“自己啓発書の新刊”としてだけでなく、就職活動を始める学生へ向けてもアピールしました。一生ものになる内容ですし、若い読者にも読みやすい一冊だと思います。
網野:就活生のほかにもう一つターゲットにしたのは、会社のマネージャークラスの方です。秋から年末にかけては、来期の職場の方針をどうするか、それをどう部下に伝えるかというのが課題になってきますからね。この2つのターゲットへ向けたアピールを考えました。
▼就活生へ向けたPOP。
▼著者のラジオ番組への出演がきっかけで、高橋みなみさん推薦コメント入りの帯も巻かれた。
玉井:でも実は最初は、弊社の営業マンたちの中でも「これが何についての本か」ということがハッキリしていなかったんですよ。
網野:内容に自信があったので、あの時は「なぜわかってくれないんだ!」「営業は敵だ!」と思っていましたね(笑)。今思えば、まさに私自身が“言葉にできていなかった”んですが……。
玉井:そんな時、ある営業担当者が発売前に見本を読んで「この本はきっと多くの人が必要としている」「僕はこの本を売ろうと思います」と声をあげたんです。彼が力を入れて販売したことから、この本は売れ始めたんです。
網野:彼が書店さんに見本を持って行って、内容や売り方の提案をしたところ、何人もの書店員さんが「私も売りたいです! 売りましょう!」と言ってくれたそうで、ありがたかったですね。書店員さんがPOPを通して伝えてくれた思いが、全国へ広がっていったという感触です。
玉井:梅田さんも時間の許す限り書店さんを訪問して、直筆のミニ色紙を渡してくださったりしています。本の内容の紹介や売り方の説明までしてくださったこともありました。
網野:結果として、就活生からは「自分の考えを整理して話せるようになった」「就職活動に不安があったが、自信がついた」という声をいただけましたし、40~50代のベテランビジネスマンにも好評のようです。あと2か月ほどで4月の入社シーズンが始まりますので、新社会人の方にもぜひ手に取っていただきたいですね。
玉井:いただいた感想の中で驚いたのは、小学校の先生からの「子どもにも実践でき、むしろ子どもにこそ必要な思考法だと思った」という反応でした。確かに、「嫌だ」という一言にも「それでどうしたいの?」「なぜ嫌なの?」「本当に嫌なの?」という問いかけができますよね。子ども向けのお題を出してやってみると、頭の体操や情操教育につながりそうだなと思いました。
――私も最初はいわゆる“ビジネス書”だと思っていましたが、紹介されている思考法は人間関係や家庭でも役に立つ考え方だなと思いました。
網野:言葉を扱う編集者という仕事を30年以上していますが、『「言葉にできる」は武器になる。』を作ることで、“目からうろこ”なことが山のようにありました。仕事でもプライベートでも使える基本的な考え方を説いた本なので、編集者としてとにかくイチオシです! ぜひ読んでみてください。
昨年9月には、梅田さんのエッセイ『捨て猫に拾われた男』が発売! 「普段お疲れの方にぜひ読んでいただきたい」(網野さん談)とのことで、今回はこちらについてもお話を伺ってきました。