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「世界は誰かの仕事でできている。」(日本コカ・コーラ「ジョージア」)、「バイトするなら、タウンワーク。」(リクルート「タウンワーク」)など、耳と記憶に残るキャッチコピーを多数生み出している梅田悟司さん。
そんな“言葉のプロ”である梅田さんが「思いをどう言葉にして伝えるか」をテーマに執筆した、『「言葉にできる」は武器になる。』というビジネス書をご存じでしょうか。
2016年8月の発売以降、現在17刷・18万部と順調な売れ行きを見せている本書。会話術、発想術、思考法……コピーライターの仕事術について書かれた本は数多くありますが、その中でも本書が支持されている理由はどこにあるのでしょうか?
今回は出版元である日本経済新聞出版社にお邪魔し、著者の梅田さんから“相方”と呼ばれ信頼されている編集担当の網野さんと、本書の販売計画を担当した玉井さんにお話を伺いました。
(左から)
日本経済新聞出版社 営業部販売促進グループ マネジャー 玉井淳さん
同 編集部 網野一憲さん
――まずは、著者の梅田悟司さんについて教えてください。梅田さんは電通にお勤めのコピーライターですが、コピーライターというのは、キャッチコピーを作るのが主なお仕事なんでしょうか?
網野:梅田さんはコピーのほかに、TBS日曜劇場をはじめとしたドラマのコミュニケーションディレクターなどもされています。1月14日(日)から始まった「99.9 ―刑事専門弁護士―SEASONⅡ」も担当していらっしゃるんですよ 。またCMで使う音楽を作ったり、高田純次さんが歌う楽曲の作詞・作曲を手がけたりしたこともあるそうです。
▼2010年にリリースされた「過去なんて忘れなよ」
――キャッチコピーは一言で人の心をつかむものですから、それを生み出すコピーライターの頭の中がどうなっているのか、興味を持っている方は多いと思います。日本経済新聞出版社からは『「言葉にできる」は武器になる。』の約1年前にも、梅田さんの著書が刊行されていますよね。
網野:2015年に出版した『企画者は3度たくらむ』ですね。梅田さんとはその前からお付き合いがあり、もう7年ほどになります。『企画者は3度たくらむ』も発想のヒントや企画の磨き方といった手法を紹介した本ですが、実は私にも梅田さんにも、「この本でやりたかったことがすべてできただろうか」というモヤモヤした気持ちがあったんです。
網野:しかし、その後また梅田さんと話をしていてハッとしたことがありました。梅田さんって、普段話しているときにも本当に的確に、「これだ!」という言葉を選んでいるんですよ。 それで「どうして、そういうワードが自然に出てくるんですか?」って聞いてみたんです。その答えとして教えてもらった“ある思考法”が、『「言葉にできる」は武器になる』が生まれるきっかけになりました。当初読者として想定していたのは、20~30代のビジネスマン。私も梅田さんも自らの職場の後輩をイメージして、梅田さんの思考法を本にすることで、彼らに「コミュニケーションはテクニックじゃない」ということを伝えたいなと思っていました。
――『「言葉にできる」は武器になる』を作るにあたっては、梅田さんと網野さんの間である約束事を決めたそうですね。
網野:「パート2は作らない」というのが梅田さんと私の約束でした。この1冊ですべて完結させようということで、言葉に対する考え方を説明した第1章、自分の考えを整理して深めるためのプロセスを解説した第2章、その2つの章をふまえて「自分の言葉で上手に伝えるにはどうすればいいか」というコツを事例とともに紹介した第3章という、3部構成になっています。
目次:
1.「内なる言葉」と向き合う
2.正しく考えを深める「思考サイクル」
3.プロが行う「言葉にするプロセス」
――本書のキーになるものとして、「T字型思考法」という思考法が紹介されています。
網野:「T字型思考法」は、梅田さん独自のフレームワークです。理系出身らしいロジカルな考え方ですね。自分と対話し、頭の中にある「内なる言葉」を徹底的に深め、広げることの重要性を説いています。
▼頭に浮かんだ「内なる言葉」を育て、「外に向かう言葉」に変換する(第1章より)
――「T字型思考法」は“内なる言葉”を中心に置いて、その言葉を3つの方向で突き詰めていく思考法ですよね。
網野:「それで?」で連想し、「本当に?」で軌道修正し、「なぜ?」で深化させるという手法ですね。これを頭の中だけでぐるぐる考えていてはすぐにパンクしてしまうので、浮かんだら書き留めて「一旦頭の外に出す」ということが重要になってきます。
玉井:梅田さんは普段からペンとたくさんのA4用紙を持ち歩いて、いつでもどこでもすぐにアウトプットできようにしているそうです。
▼T字型思考法のイメージ。自分の頭の中にある言葉を「それで?」「なぜ?」「本当に?」と突き詰めていく。(第2章より)