'); }else{ document.write(''); } //-->
『本の本―夢眠書店、はじめます―』はいかがでしたか?
スペシャルコンテンツ「夢眠書店開店日記 番外編」では、普段作家さんしか入ることのできない“カンヅメ部屋”に、特別にお邪魔させてもらいました!
「もし作家になったら、編集さんからの『まだですか?』っていう電話から逃げたい!(笑)」と言っていたねむちゃん。実際に作家さんがカンヅメになって原稿を書くお部屋は、どんなところなのでしょうか?
お邪魔したのは、『本の本』の出版元である新潮社の施設。その名も「新潮社クラブ」です。
新潮社クラブの外観は、宿泊施設というよりも“一軒家”という感じ。それもそのはず、もともとはお家だったそうで、1960年代にクラブになったのだそうです。
さて、中はどんなふうになっているのでしょうか?
1階のお部屋は雰囲気のある和室。引き戸から縁側に出られるようになっていて、外には庭が広がっています。
「せっかく新潮社クラブに来たから作家らしいことをしよう!」ということで、“夢眠先生”と『本の本―夢眠書店、はじめます―』の編集を担当した小川さんに、原稿のやりとりをしてもらいました。
小川:では、夢眠先生。
夢眠:なんか照れますね!(笑)
小川:さっそくですが『本の本』のゲラをお持ちしたので、赤を入れていただきましょうか。こちらをお受け取りください。
夢眠:ふふん、受け取りましょう。
小川:これが、ゲラというものです。小説家の先生の場合は、先生から原稿をいただいて、それを印刷所に入稿し、実際の本の版面の体裁に組んだ試し刷りを先生にお渡しして、チェックしていただくんですよ。この試し刷りの紙の束を「ゲラ」と呼びます。
夢眠:なるほど。ではさっそく拝見いたします!
小川:今回お渡ししたのは「初校ゲラ」です。入稿して最初に出たゲラですね。写真はまだ入っていませんが、ねむさんの選んだ本文書体で、実際に本になった時と同じに組んであります。
夢眠:「秀英体明朝」ですね。うん、シュッとしてて読みやすい。
夢眠:……連載は横書きですけど、縦書きになっただけで全然見え方が違いますね。
小川:そうですよね。同じことを書いてあっても、印象がまったく違うと思います。
夢眠:書く時のルールってあるんですか?
小川:あります、あります。まず、赤で書くものは「決定」です。その内容の補足には青を使います。それ以外の相談ごとや「これはどうしたらいいかな?」というものは、鉛筆で書き込むのがルールです。編集者や校閲から先生に対して疑問やご提案を出すときは、すべて鉛筆で書き入れています。
夢眠:ふむふむ……。
小川:こちらの初校ゲラでは、主に文章を確認してください。そのあと、本文に挿入する写真も組み込んだ「再校ゲラ」というものを出してお渡しします。その時に、初校ゲラに入れた修正内容が思った通りになっているか、写真が入って改行やページ送りなどの体裁がイメージ通りか、などを確認していただいて、すべてOKの状態になったら「校了」となります。
夢眠:初校ゲラの文章に赤を入れて、再校ゲラでページ全体をチェックして、それから校了と。わかりました!
小川:それではさっそく、ゲラチェックをお願いします。
夢眠:はーい! 顔文字とか書いちゃおうかな(笑)。
小川:いいですよ(笑)。
夢眠:(黙々と書き込む)うーん……。あらためて通して読むと、直したいところがたくさんありますね。赤だらけになっちゃいそう。
小川:皆さん、結構たくさん書いてらっしゃいますよ。昔はホワイトで修正していましたが、今は消せるボールペンがあるので便利ですね。
夢眠:でも消せるボールペンって、熱で消えるから保管状態によっては見えたり消えたりしちゃうんですよね?
小川:そうですね。なので、受け取ったらすぐにスキャンして保存しています。
夢眠:そうなんですね~! ……よし、大まかな修正は書き込みました。まえがき・あとがきと各話の感想は、もう一度全部見直して書き直しますね。
小川:それでは2週間後に取りに伺いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
2階には洋室と和室が1部屋ずつ。洋室のほうは、どっしりした机に背もたれのついたイス、すぐそばに大きな窓のある、いかにも“書斎”といった雰囲気です。
ねむちゃんも万年筆と新潮社専用の原稿用紙を手に、さっそく座って『本の本―夢眠書店、はじめます―』について思いをめぐらせます。
夢眠:『本の本』、いろんな人に読んでもらいたいなあ……。
――ねむちゃんの「“本が売れない”が当たり前になってるなんて悔しい!」「本のよさをもっと伝えたい!」っていう思いが溢れてますもんね。
夢眠:そう! そうなんですよね。みんなにとって本がもっと身近な存在になって、「本って面白いな」と思ってもらえるようにしたい。
そんなねむちゃんの思いが詰まった『本の本―夢眠書店、はじめます―』。あなたはどんな感想を持ちましたか?
小川:夢眠先生、今日はおやつをご用意しています。実際に作家さんにもよくお出ししているものですよ。
夢眠:おやつ! やったあ!!!
▼神楽坂梅花亭の「浮き雲」というお菓子。焼いたメレンゲにあんこが挟んであります。
夢眠:雲の形がかわいいですね~!
小川:作家さんにもお好きな方が多いお菓子なんですよ。
夢眠:サクサクでおいしいです!
――そういえば、新潮社クラブって作家の霊が出るっていう噂があるんですよね。
夢眠:えっ、そうなんですか!?
小川:はい、出ますよ。開高健と三島由紀夫の幽霊が出るそうです。私は見たことがないですが……。
夢眠:なんと、そんな大先生が……。「『本の本』が売れますように」って、お願いしておこう。
お祈りも無事(?)済ませたねむちゃん。「本が売れますように」というお願いは叶うでしょうか?
『本の本―夢眠書店、はじめます―』、読んで面白かったら、ぜひ周りの人にもおすすめしてくださいね!
『本の本―夢眠書店、はじめます―』のもとになった連載「夢眠書店開店日記」のアーカイブはこちら!
・https://hon-hikidashi.jp/tag/bookstore-yumemi/