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社会現象になった「エアマックス」など、独創的な商品に熱狂的なファンの多い、世界最大のスポーツ用品メーカー・ナイキ。その創業者、フィル・ナイトさん初の自伝『SHOE DOG』の翻訳版が、10月27日(金)に発売されました。
原書は累計発行部数が40万部を突破しているベストセラー。投資家のウォーレン・バフェットさんは「2016年の最高の本」とのコメントを寄せています。
ナイキを立ち上げ、売上300億ドルの企業にまで育て上げたナイトさん。本書に綴られているのは、そんなナイトさんが若き日に駆け抜けたビジネス奮闘記です。
1962年、日本のシューズメーカー・オニツカの前に、スタンフォードMBAを卒業したばかりのアメリカ人青年が立っていました。オニツカが作るスポーツシューズ「オニツカタイガー」に魅せられた彼は、単身オニツカのオフィスを訪ね、役員たちに自らを売り込むことにしたのです。
日本のシューズをアメリカで販売したい。
これが彼の提案でした。オニツカの役員たちに所属を尋ねられると、なんの肩書も持たない彼はとっさに「ブルーリボン」という架空の会社をでっち上げ、自分はその代表であると名乗りました。
交渉は首尾よくまとまり、晴れて彼はオニツカのシューズをアメリカで販売する権利を獲得しました。
この人物こそ、後のナイキの創業者、フィル・ナイトさんです。
アメリカに帰国したナイトさんは、オレゴン大学の陸上コーチだったビル・バウワーマンさんと共同で、実際にブルーリボンスポーツという会社を設立。オニツカタイガーの輸入販売代理業務を開始します。
オニツカタイガーは好調に売れましたが、オニツカはブルーリボンスポーツと手を切り、よりよい販売店と組もうと画策を始めます。一方、ナイトさんも独自ブランドのシューズを作ろうと動き出したところ、これがオニツカの知るところとなり、ついにブルーリボンスポーツは契約を打ち切られてしまいます。
通常であれば会社の存続に関わる危機。しかし、ナイトさんはこれを真の独立の契機ととらえ、自らのブランドとアイデアを売るビジネスに乗り出すのです……。
その後、ナイトさんは独自ブランド「ナイキ」を立ち上げ、社名もナイキへ変更。創業メンバーとともに、ナイキを世界最大のスポーツ用品メーカーに育て上げます。
本書には、ブランド名をめぐるオニツカとの訴訟、翼のようなロゴマーク”スウッシュ”の誕生秘話、ナイキの運転資金を助けた日商岩井との縁など、ナイキが1980年までに辿った道のりが詳しく書かれています。
その歩みは、ナイトさんの人生そのものと大きく重なります。成功を求めて奮闘する熱狂と苦悩の日々は、小説のようにスリリング。ナイキファンやスポーツ好きのみならず、自分らしい生き方を模索するすべての人におすすめしたい内容です。
現在はナイキCEOの座を退き、妻・ペニーさんとの生活を送っているナイトさん。本書の最終章「夜 死ぬまでにしたいこと」には、自らのビジネス人生の振り返り、そして取引先やお金、家族に対しての思いが綴られています。
これから事業を生み出そうとしている方や、成功に向かってがむしゃらに活動している方は、ヒントを得られるかもしれませんよ。
特設サイトでは、本編の特別ダイジェスト版やABCマートスタッフによるナイキへの想いを読むことができます。こちらもぜひチェックしてみてください。