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公式戦最多記録の29連勝を成し遂げ、記録はストップしたものの、その後も快進撃が止まらない藤井聡太四段。活躍の影響で世間の将棋への関心が高まり、現在書店では将棋本の売れ行きが好調です。
しかし実は、将棋本以外にも、藤井四段の活躍の影響で本の売上が伸びているジャンルがあります。
それは藤井四段の集中力を育てたといわれている「モンテッソーリ教育」に関する本。対戦相手の多くが、彼の強さの理由は「後半戦になっても続く集中力」にあると口にしており、この人並み外れた集中力の源が、彼が幼稚園で受けたモンテッソーリ教育にあるのではないかと注目を集めているのです。
まずは、モンテッソーリ教育関連本の一つである『モンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』の売上推移を見てみましょう。
▼『モンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』週別売上(日販 オープンネットワークWIN調べ)
グラフを見てみると、将棋本と同じように、歴代連勝記録単独トップの29連勝を決めたタイミング(6月26日週)に売上が大きく伸びていることが分かります。またこのタイミングは、藤井四段が「幼稚園でモンテッソーリ教育を受けていた」という報道が始まった頃でもありました。
耳慣れない方も多いであろう「モンテッソーリ教育」。一体どのような教育法なのでしょうか?
モンテッソーリ教育の考案者は、イタリアの女性医師だったマリア・モンテッソーリ。日本ではあまり知られていませんが、かつてイタリアの1000リラ紙幣に彼女の肖像画が使用されていたほど、イタリアでは有名な存在のようです。
そしてモンテッソーリ教育が確立されたのは、20世紀初頭。その後世界的に広がり、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツや、アマゾン創設者のジェフ・ベゾス、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ、バラク・オバマ前大統領なども、このモンテッソーリ教育を受けていたといわれています。また、イギリス王室のジョージ王子が通い始めた幼稚園も、モンテッソーリ教育を採用していることで話題になりました。
モンテッソーリ教育の基本姿勢は、「すべての子どもは自らを伸ばす能力(自己教育力)を持っている」「大人は子どもの能力を信じ、その能力を引き出すための援助をする」というものです。
モンテッソーリ教育を採用している教育機関には、決められたカリキュラムはありません。“教具”と呼ばれるさまざまなオリジナル教材が用意されており、子どもはその中から自分でやりたいものを選んで、作業を通して自発性や発想力を養います。
それぞれの発達段階にあわせて教員が提案することはありますが、あくまで最終的に選ぶのは子ども自身。「これをしなさい」と与えることはありません。
ちなみに藤井四段が夢中になったのは、2枚の紙を編んで作る「ハートバッグ」というものだそう。母・裕子さんは彼の幼少期を振り返り、「毎日何個も作ってきて、全部で100個くらいは持って帰ってきた」とコメントしています。藤井四段はこのような作業を通じて、発想力・集中力を養っていたようです。
「モンテッソーリ教育」に興味を持たれた方のために、「モンテッソーリ教育」について理解を深めるための関連本から、特に売れているものをご紹介します。
モンテッソーリ教育の精神をベースにした子育て本。子どもを注意深く観察し「何にこだわっているか」を知った上で、どのようにして子どものこだわりに対応し、環境を整え、その子らしさを伸ばすかを、漫画やイラストを使って分かりやすく解説しています。
モンテッソーリ教育の第一人者・相良敦子さんが、子育てのポイントを”親育て”というユニークな視点から解説した基本育児書の文庫版。豊富なイラストと具体的な事例によって、モンテッソーリ教育の基本が分かるロングセラーです。家庭でできる簡単な教具の作り方も掲載されています。
こちらも相良敦子さんの著書。『お母さんの「敏感期」』を読んで実際にモンテッソーリ教育を実践した母親・保育者から寄せられた事例を数多く挙げ、「子どもの見方・たすけ方」を紹介しています。
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モンテッソーリ教育に興味を持ったとしても、それを実践している教育施設にいきなりアプローチするのはハードルが高いかと思います。
まずは入門書を読んで、「モンテッソーリ教育がどんなものか」を理解するところから始めてみてはいかがでしょうか? 基本的な考え方を知るだけで、子育てのヒントが何か得られるかもしれません。
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