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夢眠:「デパートのように」ということで言うと、2階にはコンシェルジュがいらっしゃいますよね。
大矢:エレベーターガールが本の置いてあるところまでご案内するわけではないので、大まかなことはエレベーターガール、より詳しいお問い合わせにはフロアのスタッフやコンシェルジュが答えるというふうに役割分担されています。大きなお店でお客様一人ひとりにしかるべき形で本が届くようにするための、組織のあり方ですね。
夢眠:すごーい! そうなんですね~!! ちなみにコンシェルジュには、どんな方が選ばれるんですか?
大矢:今コンシェルジュは4人いるんですが、それはフロアで経験を積んだベテランのスタッフや、接客の経験が長い人たちから選ばれていて、英語ができる人もいます。コンシェルジュが2階にいるのは、来店してまっすぐコンシェルジュに問い合わせる方が多いからなんです。「欲しい本があるけれど、売場が広くて見つけられない」という時にすぐに対応できるように、今は2階に、コンシェルジュが常駐しています。
夢眠:大きい本屋さんだと端末が置いてあって、そこで売場を探すっていうのも多いですけど、やっぱり人に教えていただいたほうが、欲しいものに早くたどり着けることがありますよね。
大矢:そうですね。新聞広告やテレビなどでちらっと見かけただけだったりすると、書名を正確に覚えていない方も多いんです。私たちは広告掲載の情報やニュースを共有しているので、例えば「今日の朝刊に載っていた」「タイトルに“腎臓”という言葉が入っていた」という情報だけで『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』という本に行き着くことができます。
夢眠:朝刊を見たお父さんが、仕事帰りにうろ覚えのまま本屋さんに行っても、コンシェルジュやフロアの方が「これですよね」って案内してくれるんだ……。書店員さんの脳みそ、本当にすごいですよね!
大矢:情報を共有しておくことのよさはもう一つあって、例えば「なんか最近この本がすごく売れているな」と思った時に、「あ、あの時に大矢さんが言ってたやつだ」ってすぐに繋がるんですよ。新宿本店の場合は、私がだいたい毎日主要な新聞はすべて読んで、目立ったものは商品の情報とあわせてメモしてあるんです。特に大きく広告が出ているものなどは、「これは売れると思うよ」というふうにフロア担当に伝えたりもしています。
夢眠書店開店日記の第2話「ついたくさん買っちゃう本屋さんの秘密」でも“本屋さんの名探偵エピソード”を教えてもらいましたが、書店員さんは「こんな本なんですけど……」というあいまいな情報に「これですか?」と応えてくれる心強い存在。その裏には、日々の情報収集があったんですね。
次回は、お店を訪れたお客様だけでなく、「まだお店を訪れていないお客様」へのアプローチについても伺います。お楽しみに!