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▼続いては、正面入り口の棚へ。
夢眠:さっきたくさん補充したから、こっちが全然足りなかった……。こういう時はもう一度在庫を取りに行くんですか?
大矢:何度か取りに行くことはありますが、補充は「在庫を切らさないように、限られた量を配分する」という感覚ですね。全然足りないのでは売場が寂しいですが、ちょうどいい量を並べるというのもなかなか難しいと思いますよ。
夢眠:いっぱいありすぎてもだめですもんね! ちょっと足りないくらいがいい。
大矢:それに、多すぎると棚や台から落ちてしまったりもしますからね。
夢眠:そういえば『火花』の文庫版って、カバー違いになってるんですよね。さっきの売場もここも、両方並べてて、ドラマ版カバーのほうが下に置いてある。
大矢:そうですね。もともとの表紙カバーは単行本と同じデザインなので、「あっ、文庫になったんだ」とすぐに分かるよう、目に入りやすいところに並べています。床から75~135cmのゾーンを「ゴールデンライン」というんですが、そこが最も見やすく手に取りやすい高さなんです。注目商品はお求めになるお客様が多いので、ストレスなく買っていただこうということで、ゴールデンラインに並べます。『火花』の場合はそこから下へ目線を誘導させて、「ドラマ化された」ということにも気付けるようにしているんです。
夢眠:「ゴールデンライン」か! 確かに、まずそこに目が行きますね。私はそこから周りの本が目に入って、いつもいっぱい買っちゃう……。
大矢:まさにそうです。なので『火花』であれば、又吉さんのインタビューが載っている「文學界」3月号や芥川直木賞受賞作など、似ているもの、キーワードが共通しているものを周りに並べます。ストレスなく関連商品に関心をもってもらえるよう陳列するのが、本屋さんの隠れた仕事ですね。
夢眠:おもしろ~い! そうだったんですね!!
▼雑誌売場でも、新しい商品を補充しました!
まんべんなく棚を眺めているつもりでも、自然と目が情報をたくさん拾っているのが「ゴールデンゾーン」。皆さんが「これ気になるな」と思って手に取った本も、もしかするとゴールデンゾーンにあったものかもしれませんね。
本屋さんの売場の秘密がどんどん明らかになっていく第15話。次回は売場を整えながら、品揃えについてのチェックポイントを教わります。お楽しみに!