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1.「自分らしい人生」を取り戻すためには、好ましい人間関係を増やす必要がある。これは「自分は自分のままでいて良いのだ」と感じられる、心が安定する関係である。
2.不快な人間関係は「他人と自分の間の境界線」が侵害される「ラインオーバー」を引き起こしている可能性が高い。無理な要求や一方的なジャッジ、相手の行動に責任を感じることなど、すべてラインオーバーである。
3.罪悪感は「自己中心的な感情」だ。相手を思いやっているようで、「自分が嫌われたくない」という思いの表れである。
4.「だから私はダメなんだ」病を克服するには、ありのままの自分を受け入れて、どんな出来事もポジティブに解釈していくことである。
本書のタイトルにドキッとした人は、どのくらいいるだろう。私たちは「明日のため」「将来のため」に、今を我慢することが当たり前になっている。その我慢が本当に自分のためならいいが「周りに迷惑かけたくないから」「親を失望させたくないから」と、他人の思いを満たすための我慢であったら、一体誰のための人生なのか。
心療内科医である著者のクリニックには、「本当の自分を生きられない」と悩みを抱える人が次々に訪れるという。平和で物質的に恵まれた日本という国で、自死を選ぶ人も少なくない。著者がメンタルヘルスの道に進んだきっかけも、研修医時代に親友を自死で失ったことだ。優秀で人望も厚く将来を嘱望されていたその人が、なぜ自ら命を絶たなければならなかったのか。この強烈な経験から「悲劇が二度と繰り返されないよう」、人々の生きづらさや苦しみに向き合うようになったという。
本書で何度も出てくるキーワードの一つに「自分の物語」がある。私たちは幼い頃から「良い子」であることを強要され、「良い学校」「良い会社」に入ることをよしとされてきた。しかし、これらはすべて「他人が決めた価値観」である。王道を走れている間はいいかもしれないが、何かの拍子に挫折したり脇道にはずれたりしたとき、自分らしい物語を生きてこなかった後悔や空しさを感じるのではないだろうか。
今あなたが生きづらさを感じているなら、まずは本書を開いてほしい。心がラクになる、何らかのヒントが見つかるはずだ。一度きりの自分の人生を、大切に慈しんで生きてほしい。