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1.欲望を満たすために働くのは悪いことではない。欲はやがて磨かれ、志となる。
2.20代には、人生や仕事についてたくさん学び、やる仕事、出会う人、読む本、一つひとつの失敗と成功を今後の糧としよう。そうした積み重ねによって、人生の方向性が決まる。
3.日頃から真摯でいよう。信頼によって結ばれた関係こそが、いざというときの強い味方になってくる。
4.運命はときに厳しい逆風をもたらすだろう。それでも、努力する覚悟を捨ててはならない。
本書は、佐々木常夫氏から社会人になったばかりの甥、遼君への25通の手紙で構成されている。若いビジネスパーソンが幸せに生き、働くためのエッセンスが詰まった一冊だ。
佐々木常夫氏は、波乱万丈の人生を送ってきたことで知られている。高度経済成長のさなかに東レに入社するも、課長になった年に妻が肝臓病を患い、仕事と看病を両立することとなる。妻は家族への負担を気に病んでうつ病になり、入退院を43回繰り返して、3回自殺未遂をしたという。妻が回復するまでの8年間、佐々木氏は自閉症の長男を含む3人の子供の世話をするために、業務の効率を極限まで高めたそうだ。苦難の道のりを歩みながらも、破綻会社の再建や事業改革に取り組み、同期トップで取締役に。その後は東レ経営研究所の社長と特別顧問を歴任した。
20~30代の若いビジネスパーソンに向けて書かれた本書は、必ずしも時代の最先端をいく知見が記されているわけではない。本書執筆時と現在では、ビジネスのあり方が変わりつつあることも事実だろう。しかし著者のアドバイスには、時代を超えた普遍性と、若者へのあたたかい愛情がある。
佐々木氏は「3年でものごとが見えてくる、30歳で立つ、35歳で勝負は決まり」と語ると同時に「40代後半からじっくり伸びてくる人がいるのも事実」とも言っている。今後の人生で一番若い今日という日に、ぜひ著者の言葉をじっくり噛みしめてほしい。