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  • 投資信託で「インデックス・ファンド」がおすすめな理由は? すんなりと頭に入ってくる入門書『マンガでわかる 世界でただひとつの株式投資入門』

    2022年10月23日
    知る・学ぶ
    黒田順子:講談社BOOK俱楽部
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    マンガでわかる世界でただひとつの株式投資入門
    著者:山崎元 飛永宏之
    発売日:2022年09月
    発行所:講談社
    価格:1,540円(税込)
    ISBNコード:9784065223710

    昔、少しだけかじった株式投資をそろそろ再開しようかなと思いつつ、世界情勢は不安定だし、どこから勉強したらいいのかわからないし……というときに、この本と出会いました。
    はっきり言って、知らないことだらけでした! いかに今まで危ない賭けをしていたか!!
    この本がほかの入門書と違うのは、最初にリスクヘッジをしっかりと教えてくれるところです。

     

    【まずはインデックス・ファンドから】

    この本は、結婚資金を増やしたいカップルが、経済評論家で投資のプロフェッショナルであるヤマザキハジメ先生から、投資のイロハを教えてもらう6話からなるマンガと、それを補足する文章で構成されています。

    ヤマザキ先生が初心者にオススメするのは、投資信託の「インデックス・ファンド」。
    「インデックス・ファンド」とは、株価指数に連動して株式市場の平均を目指す運用商品……と文字だと難しく感じますが、マンガで説明してくれるので、すんなりと頭に入ります。

    マンガには、金融マンは手数料が目当てなので、「証券会社の窓口に行くのは、鴨がネギを背負って行くようなものだ」というリアルなセリフも出てきます。
    さらに、自称、他称を問わずお金のプロと呼ばれる人の動画や、「億り人(おくりびと)」と呼ばれる成功者のセミナーは、セミナー自体で稼ぐことが目的なので要注意だと呼びかけています。

    そして、マンガの後には必ず文章で補足説明があり、その最後にはポイントとしてまとめられているので、より理解できました。

    実は「まえがき」にも、こんな文章がありました。

    「お金の運用が仕事でも趣味でもない人」は、手数料の安いインデックス・ファンドで本人にとって適当な額を投資するのが正解です。

    そして株式投資は、「自分のお金を経済活動に参加させる行為」。
    どうしても、「儲けた」「損した」の基準で語られがちですが、投資したお金がその企業の人件費や設備費などに使われることで、生産活動に参加しているというのです。

     

    【最初はポートフォリオを作ること】

    いよいよ銘柄で株を選ぶ個別株投資に入りますが、ここでも最初に教えてくれるのは、目先の利益よりリスクを分散させること。
    「個別銘柄選びよりも、ポートフォリオで投資することを先に覚えよう」ということで、
    初心者は、「大型企業で全く種類の違う3銘柄」を選ぶことを推奨しています。

    私の場合は、証券会社のアナリストの動画を見て情勢を勉強していましたが、公に出ているものなので既に株価は良い値をつけています。
    どうしたら、まだ値上がりする前の銘柄を探すことができるのだろうと、ずっと思っていましたが、見つけ方が載っていました。

     

    【上方修正された株価と市場参加者のパターンを読む】

    順調な企業の株の動きを見ていると、突然ガタンと落ちることがあります。
    外的要因に思い当たることがないので、大口の投資家にしか知り得ない情報がもたらされたのだろうか?と思っていたのですが、こんな基本パターンがあったとは!!


    銘柄選びのポイントは、株価収益率=「PER」と、企業やアナリストが公表する「利益予想の変化」。中でも「分析すべきは企業それ自体よりも、市場参加者の認知と行動」だといいます。
    このパターンを知った上で、「注目度の低い会社」を狙えばいいとアドバイスがあり、それはどんな会社かという具体的な例も挙げられています。

    さらに上級者向けに「株式の時価総額」の見方や、「株式の売りどき」も教えてくれます。
    特に、買値より株価が1割下がったら、さらなる損失を防ぐために株を売却する「損切り」という方法にずっと疑問を持っていたので、不要だということがわかり安心しました。

    このあたりになると、頭の中で理解した方法を早く実践で試したくなります。
    山崎先生の言う「株式は奥行きの深い、素晴らしい趣味」となるよう、今度こそリスクマネジメントされた楽しい株式投資をやろうと思います。

     

    (レビュアー:黒田順子)


    ※本記事は、講談社BOOK倶楽部に2022年10月10日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。




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