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1.キャリアにも戦略思考を持つことが重要だ。それは、自ら主体的にキャリアを形成していくにあたり、中長期的な行動を設計することを意味する。
2.キャリア戦略の要点は、第三者視点からみた個々人の価値である「キャリア資本」を中長期で蓄積していくことだ。組織での日々の業務を「こなす」のではなく、キャリア資本を「ためる」へと発想を転換する。
3.これからのキャリア形成は、組織にキャリアを任せる組織内キャリアから、自律型キャリアへの転換が不可欠だ。
本書の重要なキーワードのうち、特に注目すべきは「キャリア資本」だ。スキル、語学、資格、職歴といった「ビジネス資本」を中核として、「社会関係資本」と「経済資本」から構成される概念である。人生100年時代において、いかにキャリア資本を蓄積していくのか、それを戦略的に考えるのが本書のタイトルにある「キャリア戦略」である。
従来の雇われ続ける働き方では、個人のキャリア戦略を組織に委ねていたと言える。今後は、個々人が主体的にキャリア形成に取り組むことが大切になってくる。
そのときのひな形を提供するのが、現状行動型と未来創造型のキャリア形成のそれぞれの良さを連携させたハイブリッド型「プロティアン(変幻自在な)・キャリア形成」である。これは、ギリシア神話の神プロテウスをメタファーとした、変幻自在にキャリアを形成していく最先端の知見であり、本書のベースだ。
わたしたちがまず為すべきことは、自身のキャリア資産の棚卸しだろう。そして、今後どのような資産を増やしていくか考えることだ。そのときに、障害となるのが、お金に対する漠然とした不安ではないか。そこで、自身の価値観とお金の関係をしっかりと見つめ直してみる必要がある。もしかしたら、世間の風潮に振り回されているだけで、わたしたちの幸福とお金はあまり関係ないかもしれない。
同時に、本書は小さなところから自らお金を稼ぐことを奨励している。そうした経験から、雇われるだけでは得られない、稼ぎ抜く自信が湧いてくるはずだ。