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1.時間を活用できる充実した人生を送るためには、とにかく、「ただ始める」ことが大事だ。華々しくない、つまらない成功でも良い。
2.仕事の8時間以外にある、16時間というもうひとつの1日を有効活用しよう。そのために、週3晩、90分間の時間を、自分の興味があることを追求する時間にあてると良い。
3. 取り組むのは、読書でも、家の周りにいる虫の研究でも、自分が心の底からやりたいと関心を持てることならばなんでも良い。
時間をどのようにやり繰りして有効活用するのかということは、古今東西を問わず、多くの人の関心を集めるテーマだ。本書でも述べられているように、時間は身分の貴賤や財産の多寡を問わず誰に対しても平等に与えられている。それなのに、何故あの人はあんなにも膨大な量の仕事をこなし、私生活も充実させているのだろうかと驚かされる人が、身の周りにいるのではないだろうか。
本書の著者は、20世紀イギリスを代表する文学者であり、非常に多作な作家であった。小説だけでなく、書評や、本書のような啓発書をいくつも書き上げ、毎日のように手紙も書いていたという。本書は20世紀初頭に発表されたものなので、現代とは時代環境が全く違うと思われるかもしれない。しかし、読んでみると、日々の生活や人生において時間を上手く作り出し、活用することの本質に、大きな変化はないように感じられる。便利なものがたくさん普及して、世界中の膨大な情報に瞬時にアクセスし、遠く離れた人たちと簡単にコミュニケーションをとれるようになっているにもかかわらず、結局のところ、人間はより時間に追い立てられるようになってしまった。短時間でたくさんのことをできるようになるということは、それだけやらなければならないことに縛られているのかもしれない。そんな時代に生きる私たちだからこそ、時間の使い方の本質が洞察されている本書から学ぶことは多いだろう。