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  • 「ワクチンを打つとなぜいいの?」と子どもに聞かれたら…? 図説でわかりやすい「はたらく細胞」図鑑シリーズ『ワクチン&おくすり図鑑』

    2022年04月16日
    知る・学ぶ
    黒田順子:講談社BOOK倶楽部
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    びょうきとたたかう!はたらく細胞ワクチン&おくすり図鑑
    著者:講談社 月刊少年シリウス編集部 はたらく細胞製作委員会
    発売日:2022年02月
    発行所:講談社
    価格:1,540円(税込)
    ISBNコード:9784065270974

    新型コロナウイルス、どうして感染するの? ワクチンを打つとなぜいいの? と、もし子供に聞かれたら、なんと答えますか?

    なぜ新型コロナウイルスに感染するのかというと……
    人の細胞にある「受容体」に新型コロナウイルスの「スパイクたんぱく質」がくっつくと、細胞のドアが開いて感染し、ウイルスのコピーが大量に作られてしまうからです。
    と文章だと伝わりにくいのですが、この図を見れば一目瞭然。

    そして、なぜワクチンが効果的なのかというと、「スパイク」が「受容体」にくっつかないよう、「スパイク」にフタをする「中和抗体」を作らせることができるからなのです。
    このワクチンの正式名称は「mRNA(エムアールエヌエー)ワクチン」。

    私たちが接種しているファイザー社、モデルナ社のワクチンが、まさにコレ。
    あれ? アストラゼネカ社っていうのも聞いたことあるんだけど……と思ったら、ワクチンの特徴が違うということがわかりました。
    こちらは、新型コロナウイルスの設計図を組み込んだウイルスを人間の体内で増やすようになっています。

    このように、1章ではワクチンに関する予備知識とともに、【病気を事前にふせぐワクチン】として13種類のワクチンが紹介されています。
    2章では、【ウイルスや細菌と戦うおくすり】として「ペニシリン系抗菌薬」など8種類。
    3章の【いたんだ現場をいたわるおくすり】では、11種類の薬が載っています。

    その中で私が特に知りたかったのは、炎症を抑える働きをする「ステロイド薬」。
    花粉症用の点鼻薬として使っている方も多いと思いますが、私はアトピーの治療薬として長年お世話になっています。

    「ステロイド薬」というと「副腎皮質ホルモン」という言葉もセットで使われますが、実はよくわかっていませんでした。
    「副腎皮質ホルモン」は人間のホルモンで、これを人工的に作ったのが「ステロイド薬」だというのです。

    副作用についても気になっていたので、何となく「非ステロイド薬」の方が安心なのかな?と思っていたら、まったく薬の種類が違っていました!!

    「非ステロイド性抗炎症剤NSAIDs(エヌセイズ)」は、熱を下げたり、痛みをやわらげたりする薬で、ロキソニンやイブという製品名でもお馴染みです。

    こんな感じで、自分の無知さ加減にびっくり!!
    ワクチンや薬について、わざわざ調べることは、滅多にありませんからね。

    だから、子供のころに受けた予防接種も、覚えているのはツベルクリンとBCGぐらいで、あとは何のワクチンかも知らず、されるがままに注射を打たれていた!!という感じです(笑)。
    自分の体のことなのに、とても大事なことなのに情けない。

    この本では、ほかにも副反応と副作用の違い、お医者さんの薬と市販薬の違いをQ&Aで教えてくれたり、薬の形と飲み方や、定期接種と任意接種などのコラムも載っています。

    こうしたためになる情報をアニメ『はたらく細胞』に登場したキャラクターたちが説明してくれるので、カラフルで可愛いくて、見ているだけでも明るい気分になります。

    実は、これがとても大事なのではないかと思いました。
    注射や薬に対する苦手意識が減りそうなので。

    人間が生きていく中で、絶対に付き合わなければいけないワクチンや薬が、どんな働きをして何に効くのかは、子供の頃から知っておくべきだと改めて感じます。
    特に5歳から11歳までを対象とした、小児向け新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった今だからこそ、情報に惑わされることなく、この本で正しい知識を身につけて欲しいと思いました。

    (レビュアー:黒田順子)


    ※本記事は、講談社コミックプラスに2022年4月7日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。




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