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1.言葉は人類の発展・文化の相棒だ。大好きな人と人の気持ちをつなげるのも言葉の使命であり、言葉の良さだ。しかし、言葉が人を追い詰めることもある。
2.著者は中学時代、イジメに遭って自殺を考えた。「死にたい」と母に打ち明けたとき、「いいよ。でも一緒に連れて行って」という言葉に救われた。
3.著者は、「憎む感情を捨てなさい」「言いたい人には言わせなさい」という母の言葉を大事にしている。
本書の著者は、テレビやネット、舞台など多方面で活躍する俳優サヘル・ローズさん。俳優業の傍ら、難民キャンプへ赴き、現地の子どもたちと交流し、その様子を自らSNSで伝えるなど、情報発信にも積極的に取り組む。一方、SNSを通じて彼女に攻撃的なメッセージが届き、悲嘆に暮れることも少なくないという。「言葉は人と人とをつなぐのが使命。それなのに、ひどく相手を深く傷つけてしまうこともある」と言葉の暴力が絶えない昨今の時世を憂いている。
そんな著者の生い立ち、半生は波乱万丈だ。イランの孤児院から引き取られ、その後、ホームレス生活やイジメなどを経てきたつらい過去を、本書は赤裸々に明かしている。自身の体験が、今悩んでいる人の役に立つならと思い立ち、筆を執った。
彼女が出会ってきた大切な人たち、その人たちから受け取った愛溢れる言葉を束ね、ブーケ、「言葉の花束」として綴った。本書は、孤児院にいた著者を引き取り、これまで育ててくれた母・フローラさんへの感謝状でもあるという。
「サヘル・ローズ」はペルシア語で「砂浜に咲くバラ」を意味する。本書を読めば、凛と生きる著者の姿勢から、熱くたぎる何かを感じるだろう。笑顔を振りまき、周囲を明るくさせる著者の魅力がぎゅっと詰まった一冊だ。