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1.「感情」とは何か。感情の一つひとつを認知し、解像度をどれだけ高められるか。もし自分の感情を細かく認知できるようになれば、あらゆるアウトプットが確実に変わる。
2.「感情は、すぐに脳を乗っ取る」。あらゆる感情は、自分の行動や意思決定に影響するのだ。言い換えれば、同じ世界でもその人の持つ感情によって見え方が変わる。
3.感情への理解を深めるとき、重要なのは感情を認識し受け入れ、そのうえでどのような選択肢があるかを考え、採用する「認知・受容・選択」のサイクルを回すことだ。
なぜ私たちは、マンガや小説のような創作物を必要とするのか。単なる時間つぶしや気晴らしのためだけではない。意識しているかどうかは別として、創作物に描かれた登場人物の感情の動きを読むことで、自分の感情を動かされることを期待している。それは笑いや興奮、爽快感といった単純な感情だけでなく、自分がかつて経験し、整理できていなかった感情の追体験や、これまで一度も経験していない感情を創作物の中で体験するといったことも含まれる。私たちは日々感情を動かし、世界には感情が溢れているとまでいえるのに、自分の中に湧き上がる感情を的確に把握し、自分の行動やアウトプットに反映させることは容易ではない。
本書は『バガボンド』や『宇宙兄弟』など、マンガ史に残る名作を担当した編集者、佐渡島庸平氏が感情について、できるだけ明解かつ論理的に考察した軌跡として著された。その考察には、共著者である石川善樹氏から受けた刺激や知見が多分に含まれているという。マンガ家の羽賀翔一氏のイラストが全編に彩りを加え、魅力的な一冊に仕上がっている。
本書を読んでいると、普段いかに感情を曖昧に捉えているかを思い知らされる。私たちの行動はすぐに感情にジャックされ、感情に振り回されてしまう。自分の把握する感情の解像度を高めることができたら、日々の生活から受け取ることができる情報の質、そしてアウトプットが確実に変化することだろう。