• fluct

  • 年金大改正があるって知ってた? “知らない人は損をする”前に、まずは知っておくこと!

    2022年02月05日
    知る・学ぶ
    黒田順子:講談社BOOK倶楽部
    Pocket

    60歳からの得する!年金大改正
    著者:小泉正典
    発売日:2021年12月
    発行所:ART NEXT
    価格:980円(税込)
    ISBNコード:9784065266663

    知らない人は損をする!! 税金などお金に関する複雑な制度を知るたびに感じることです。
    まだまだ先だと思っていた年金ですが、2022年4月の年金大改正を控え、早めに知ることができて良かった!!という内容が、この本にはいっぱい載っています。

     

    75歳の繰り下げ受給は得か損か?

    2022年4月から始まる年金大改正で最も注目したいのは、「66歳以降に受け取る場合の上限年齢が、70歳から75歳に引き上げられる」ことではないでしょうか。

    これにより、65歳で年金をもらうより「最大84%増える」そうで、2021年の老齢基礎年金の満額780,900円を基に計算すると、受取額は1,436,856円。
    なんと655,956円も増えることになります。

    780,900円×1.84 = 1,436,856 円

    これは70歳まで就業確保が企業の努力義務となったためというのですが、甘い誘いには裏があるのではないか!? と身構えてしまうのも事実です。

    そもそも75歳から受給を始めたとしても、すぐに死んでしまったら元が取れないし、かといって65歳ならまだ十分に働ける年です。
    どうしたらいいのか漠然と考えていたのですが、この本に載っている「損益分岐点」のシミュレーションは、将来設計にとても役立つと思いました。


    寿命だけでなく、「健康なうちにもらいたいのか」「病気や介護が必要になった時にもらうのか」を判断材料にするといいというアドバイスに、なるほど!と思いました。

    実は今回、私が1番知りたかったのは「特別支給の老齢厚生年金」について。
    今年受け取った「ねんきん定期便」の中の「老齢年金の種類と見込額(年額)」にあった項目ですが、今まで見たことがなかったので、なんのこっちゃ!?状態でした。

    年上の方に聞いても「うーん、なんか貰ってるかも」と埒(らち)が開かず、ネットで調べてもよくわかりませんでした。わざわざ年金事務所に聞きに行くのは面倒だなぁと思っていたことが、この本で解明できました!!


    昔は、年金支給開始が60歳からでしたが、それが65歳に引き上げられたときに設けられたのが、この「特別支給の老齢厚生年金(特老厚)」。
    60歳~64歳までの間に、生年月日に応じて受給できる年金です。

    ただし、男性は1961年4月2日以降に生まれた方、女性は1966年4月2日以降に生まれた方は、この制度に該当しません。
    35年前の1986年の改正なので、こんな制度があることすら知らない人も多いのではないでしょうか。

     

    年金未納の救済策

    もう1つ私が知りたかったのは、年金の「未納」についてでした。
    私に未納があることは知っていたのですが、「1年間の受取見込額」が老齢基礎年金の満額と近かったので勘違いをしていたのです。
    年金のことはそれなりに“知っているつもり”でしたが、こんな大きな見落としがあったとは!!

    この本を読んでわかったのは、60歳を過ぎても未納の国民年金を払い続ければ、「老齢基礎年金の満額」プラス「厚生年金」がもらえるということでした。


    この本は、3つのパートに分かれています。

    PART1 『徹底解説! 年金大改正で何が変わるのか?』
    PART2 『60歳からが肝心! 絶対に取りこぼせないさまざまな年金給付』
    PART3 『仕事・医療・介護 知っておきたい60歳からの「届け出」だけで頼れる保障』

    どれもが細かくパターン別に書かれているので、自分に当てはまるものが見つけやすくなっています。

    さらに年金のことだけでなく、「継続雇用の賃金が60歳時点より25%以上下がった人が受け取れる給付金」や「失業給付金」についてなど、様々な制度があることも教えてくれます。
    これらもすべて、“知らない人は損をする”なので、頭が働く早い段階から、まずは知っておくこと!! が重要であると実感しました。

    (レビュアー:黒田順子)


    ※本記事は、講談社BOOK倶楽部に2022年1月24日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。


    タグ
    Pocket

  • GoogleAd:SP記事下

  • GoogleAd:007

  • ページの先頭に戻る