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  • 老後の資金って結局いくら必要なの? 定年間際でも始められる資産運用や節約術を学べる1冊!

    2022年01月22日
    知る・学ぶ
    田中香織:講談社BOOK倶楽部
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    「定年」からでも間に合う老後の資産運用
    著者:風呂内亜矢
    発売日:2021年12月
    発行所:講談社
    価格:946円(税込)
    ISBNコード:9784065263648

    年金を収める歳になったころ、未来の自分が本当に受給できるのかどうか、疑心暗鬼だった。その気持ちが消せないからこそ、「自助努力」としてできる限りの貯蓄を心がけてきた。だが時が経ち、いざその時が見えてくるようになると、消してきたはずの不安がむくむくと湧いてくる。自分が選んだ方法よりも、もっと良い方法があったのだとしたら──。

    本書はタイトルの通り、主に定年を間近に控えた方向けに、お金に振り回されず過ごせる老後の方法について、さまざまな角度から丁寧に紹介している。「今の貯蓄は心もとない」「資産運用は苦手でこれまで遠ざけてきたけれど、やっぱり不安……」という方にこそ、著者の言葉をお届けしたい。

    安心してください。じつはちょっとの工夫をするだけで老後資金は見通しが立つものです。定年間際の方でも、十分に間に合います。
    必要以上にリスクのある投資や、続けられないような節約をする必要はありません。退職金や公的年金の上手な受け取り方、定年後でも間に合う資産運用の仕方、自分にあった節約方法など、知っておくべき知識を押さえ、それを実践するだけで、十分に幸せな老後を送ることはできるのです。

    「今から見直すなんて遅いかも」と考えていた私は、この言葉に背中を押された。私の場合、定年まで時間がある今が見直しのチャンスなのだろう。早ければ早いほど、打てる手も増えるはず。これまで選んできた方法が適切かどうかを知ることもできそうだと、早速読み始めた。

    本書は全四章からなり、序章と第一章では現在の家計の見直しと資産運用についての準備と心がけが説かれている。大事なことは、日々の暮らしの収支が把握できているかどうかだとつづる著者の言葉で、最初に響いたのはこの一言。

    人間は生きているだけで意外にお金がかかっています。

    人間の身体にたとえれば「基礎代謝」の部分であり、それに事欠けば生存があやうくなってくる。だからこそ生きるためだけでなく、よりよく暮らしていくためのお金を確保すること、すなわち余裕のある老後資金の必要性が理解できる。そして著者は「まず押さえておきたいコツ」として、次の3つを挙げていた。

    そのコツの一つ目は、我が家の家計を把握し、現在地を確認すること。
    次に、医療費など大きな支出がいくらかを想定すること。
    そして、それまでに蓄えたお金を効率的でシンプルな運用に回しておくこと。
    この三つを理解しておくだけで、老後資金に対する不安はほとんど解消されてしまいます。

    現在の財布事情を自分できちんと把握している人は、それほど多くないと著者は指摘する。私自身、最近では現金を使うことが減り、カードやスマートフォンでの決済も増えている。そのため、いつの間にか出費がかさんでいる時もあり、明細を見て驚くことも。「いつどこで何に使ったか」をざっくりとしか把握していない身には、特に一つ目のコツが耳に痛かった。

    続く第二章では、いよいよ資産運用についての心構えと概要が解説されている。そうして全体像を見渡した上で、第三章以降では投資の王道として「投資信託」が、第四章では「税制優遇口座」が、それぞれ具体的な手段が挙げられていた。ご存じの方には基礎的な情報ばかりかもしれないが、おぼろな知識しかない私にとっては、手数料から口座の作り方、商品の種類や選び方まで細かく紹介されているのがありがたい。「知らない」ことを前提に、最新の情報が網羅されているのも心強かった。

    状況も制度も刻々と変わっていく中で、現実へ立ち向かうためには確かな知識がいる。その手始めとして、本書は大きな助けとなりそうだ。不安を抱え続けるのではなく解消するための一歩を、本書ととともに踏み出したい。

    (レビュアー:田中香織)


    ※本記事は、講談社BOOK倶楽部に2022年1月14日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。




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