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  • 日本の名城を網羅!全国200城の見どころを写真で楽しむガイドブック

    2021年09月11日
    知る・学ぶ
    黒田順子:講談社BOOK倶楽部
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    日本の城200
    著者:藪内成基 小和田哲男
    発売日:2021年07月
    発行所:講談社
    価格:1,650円(税込)
    ISBNコード:9784065233948

    天守が現存するお城がいくつあるか、ご存じでしょうか? 答えは12。
    では、その中で天守が国宝なのはというと、松本城・犬山城・彦根城・姫路城・松江城の5つのみ。
    これがすぐに出てくる方はもちろん、お城があれば必ず行くのに本当の楽しみ方を知らない私のような人にとっても、この本は新たな発見をもたらしてくれます。

     

    全国唯一の個人所有だった国宝・犬山城

    織田信長の叔父、織田信康が1537年に築城した愛知県にある「犬山城」。
    この城は、秀吉と家康が争った「小牧(こまき)・長久手(ながくて)の戦い」の舞台となった場所として有名ですが、江戸時代に入ると徳川家に仕えた成瀬政成(なるせまさなり)が城主となります。
    実はこの犬山城、2004年まで全国で唯一の個人所有のお城だったのです!!
    お殿様気分で、「廻縁(まわりえん)」からの景色を独り占めできたらどんなにいいだろうと思ってしまいますが、まさにその夕景が載っているのもうれしい!

    また、どこが見所なのかは「大図解」と「DATA」を見れば一目瞭然。

    特に築城術・遺構・眺望・地形・城下町・人物と6つの項目に分けられた「特徴」はとてもわかりやすく、「開城時間」「定休日」「アクセス」まで載っているので、遊びに行く計画を立てるのにも便利です。

     

    平安時代より前のお城!?

    この本を見れば、お城が造られ活用されていた「時代」が一目でわかります。
    お城というと戦国時代に造られたものという思い込みがあったのですが、かなり早い段階から造られていたことを知りました。

    弥生時代の遺跡で有名な佐賀県の「吉野ヶ里(よしのがり)」も、その1つ。
    そしてこちらは、7世紀後半に造られたとされる岡山県の「鬼ノ城(きのじょう)」。

    「白村江(はくそんこう)の戦い」後、唐と新羅(しらぎ)の攻撃を恐れたヤマト政権が築いたという説が有力なのですが、『日本書紀』などの歴史書にも記述がなく、謎に包まれているそうです。
    約2.8キロにも及ぶ城壁「版築土塁(はんちくどるい)」は、板と板の間に土を入れて固める工法で、これらが造られた遠い昔に思いを馳せてしまいました。

    お城というと、石垣と天守がある立派な建物を想像しがちですが、「第二章 ユニークな形の城」は、これもお城なの!?と思うものが載っており、興味深いです。

     

    石垣の見分け方と注目点

    お城マニアにとって石垣は、重要なアイテムの1つ。
    正直、今まではピンとこなかったのですが、「第三章 圧巻の石垣に守られた城」「第四章 特殊な石垣を備えた城」の説明を見て、なるほど!と思いました。

     

    コラムで歴史的背景を知る

    さらに私が興味をもったのは、もっとお城を楽しむための「コラム」と「城を舞台にした戦い」のページ。

    埼玉県行田市にある「忍城(おしじょう)」は、和田竜さんの小説『のぼうの城』(後に映画化)の舞台になった城で、実際に北条軍・成田氏と豊臣軍・石田三成が戦い、“忍城水攻め”は石田三成の負け戦として有名です。

    そしてこの戦術のきっかけとなった羽柴秀吉の「備中高松城」。“水攻め”の話も載っているので、歴史的背景を知ることができます。

    実は日本には、3万から5万の城跡があると言われているそうです。
    ですからこの本に載っている200のお城は、ほんの一部に過ぎません。
    しかし、様々なタイプのお城があり、見逃している素晴らしいお城がいっぱいあることを知りました。旅行することもままならない今だからこそなおさら、この本で全国各地の城巡りを楽しんで欲しいと思いました。

    (レビュアー:黒田順子)


    ※本記事は、講談社BOOK倶楽部に2021年8月24日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。




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