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1.決断を下すときは、メンバーが納得できるプロセスを踏むことが重要だ。
2.決断プロセスを納得してもらうには、「手続的正義」の考え方を適応するとよい。手続的正義とは、「結果に至る過程・プロセスに正当性があるなら、正しい結果とみなす」という考え方である。
3.手続的正義にもとづいた決断をするためには、次の3つのルールを守るべきだ。(1)立場や意見が異なる人にきちんと主張の機会を与えること、(2)期限をかならず定めること、(3)リーダーなどの判断者はいずれの主張の「当事者」にもならないことである。
「生産ラインの歩留まりは悪いが、このまま生産を続けて直近の顧客納期を間に合わせるか」「納期遅延による損害賠償を覚悟した上で生産ラインを止めるべきか」など、簡単に判断できない問題を即断することが、仕事ではしばしば求められる。場合によっては「49対51」というような状況で、絶対的な正解がないこともある。そんな問題を前にして、「意志決定を先延ばしにしてしまった」「意志決定に困ってしまった」という経験はないだろうか。
本書は大阪府知事、大阪市長としていくつもの難題に決断を下してきた著者が、意志決定の方法を解説した一冊である。大阪府の財政再建や大阪都構想の住民投票の実施など、世間では不可能と思われたことを実現できたのは、正解がわからない問題に対しても、組織やチームが納得できるような決断を下してきたからだ。そしてそれは、「結果の正しさ」ではなく、「プロセスの正しさ」に焦点を合わせたからこそ可能だった。
いかに意志決定を行うべきか、どのような決断プロセスを踏むべきなのか、どうすれば周囲も納得する決断を下すことができるのか。さまざまな難題が舞い込んでくるリーダーにとって、一度は読んでおきたい意志決定の教科書である。本書を読み、組織やチームを力強く牽引していっていただければと思う。