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1.まず情報を集めてしまうと、過去から生まれたアイディアしか出てこない。先に自分の日常生活の感覚から「仮説」を立て、それから情報を集め仮説を補強していくようにすることが大切だ。
2.「仮説」とは「新しい定義」のことである。なんにでも「宇宙人視点」で素朴な疑問を持つことで、物事の本質を見る習慣をつけるようにしよう。
3.仕事は常に、他の仕事と繋がっていく。目の前の仕事に取り組むだけではなく、その仕事がどうやってゴールの達成まで連鎖していくのかを見通すことが必要になる。「倒すべきドミノの最初の1枚」を見定めよう。
著者は10年間、出版社のマンガ雑誌の編集部で、おもしろいマンガ、小説、ノンフィクションを生み出すために、編集者として働いてきた。
三田紀房『ドラゴン桜』、小山宙哉『宇宙兄弟』、安野モヨコ『働きマン』、伊坂幸太郎『モダンタイムス』、平野啓一郎『空白を満たしなさい』などが、著者が編集者として関わった代表作である。
著者はまた、日本では稀な作家エージェント会社「コルク」を立ち上げた起業家でもある。これは情報環境の変化に伴って不況になったと言われる出版業界の中で、作品について誰かと語りたい、体験を共有したいというニーズに注目して作られた、コミュニティを育てることを中心とした会社だ。この本は、そんな著者が編集者として、そして経営者として考えてきたことをまとめたものである。
ビジネスの世界で結果を出そうとすると、論理的に考えれば考えるほど、結局は過去に成果を出したものの焼き直しになってしまいがちだ。けれど、本当に価値のある新しいアイディアは、決して過去からは生まれてこない。そんな当然のことを、我々は忘れてしまいがちだ。
編集者は、ビジネスとして成果を上げることが重要な仕事のひとつだが、一方でどんなコンテンツがヒットするのかを、前例から導き出すことはできない。そんな世界で多くのヒット作を生み出し作家に寄り添う著者の考え方からは、まだこの世界に存在しない価値を生み出す方法を学ぶことができるだろう。