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1.ゆっくりと時間をかけて努力をしていても、最初はなかなか結果が出ない。しかし地道に積み重ねていくことで、思いがけないほどの成果になっていく。
2.「一怒一老」といって、怒りは老化を加速させる。カタツムリの速度でのんびりと老いるために「一笑一若」でいよう。
3.妬んだり、口論したり、憎しみ合ったりと、他人のことで頭を悩ませていると、人生を謳歌することはできない。人との良い関係があってこそ、「ゆうゆうと遊ぶ」生き方ができるようになる。
本書に出てくる「人生後半」という言葉が他人事でなくなってきている要約者は、「これからの生き方」を考える機会が増えてきた。中高年と言われる世代になった。何かを諦めるつもりはない。ただ、若いころのような能率やスピード感を重視して結果を求める生き方に、なんとなく違和感を抱くようになってきたのだ。本書を読み、その答えがわかったような気がする。
著者の斎藤茂太氏は、本当にいい結果を得るためには急いではいけないという。物事にゆっくりと向き合うと、最初はなかなか成果が見えてこない。ここで焦ってはいけない。時間はかかるかもしれないが、ゆっくりと日々を積み重ねていくことで、思いがけない成果が生まれる。それが斎藤氏の推奨する「ゆっくり力」だ。
また、歩く速度を変えることで今まで見えなかったものが見えるようになり、新しい発見にもつながっていくだろう。
「ゆっくり力」は、情報に振り回されがちな今の時代こそ必要な力なのかもしれない。ゆっくりでもいいから、自分を見失わずに生きていくことの大切さに、本書は気づかせてくれる。
そんな「ゆっくり力」は中高年だけのものではないはずだ。伸び悩みや行き詰まりを感じているビジネスパーソンや確実に結果を出したい若い人にも本書をおすすめしたい。すぐには成果が見えなくとも、焦ることはない。地道に、マイペースで歩みを進めるよう、切々と説いている一冊だ。