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1.学習とはニューロン同士を結合し、連鎖を形成する作業である。学習が複雑になるにつれ、結合の範囲は広がり、他の連鎖とも連携していく。
2.「積極的な学習」はニューロンの結合を促す。脳内で長期記憶から記憶を引き出し、活用しようとする「回収活動」によりニューロンの結合が強化される。
3.学習を長期的に継続するために、自律心に依存しない工夫が求められる。障害となるものを排除し、学習を習慣化することが重要だ。長期的、短期的なゴールの設定も有効である。
最初から「勉強が得意な人」というのはあまり多くないだろう。しかし学生の間はもちろん、社会人になっても勉強の機会は多い。
本書はタイトルの通り「学び方の学び方」を指南するものであり、どんな学びにも応用できるテクニックが紹介されている。これさえ読めばラテン語でも経済学でも、はたまたダンスのステップでさえ効率的に学ぶことができるようになる。あらゆる学習に通じる優れた教本だ。
本書の特徴は効率的に記憶したり、モチベーションを維持したりする方法の紹介にとどまらない点だ。神経科学や認知心理学に基づき、「なぜそれが有効なのか」を示す理論も一緒に説明してくれるため、より理解を深めやすい。
例えば、集中力を高めて作業に没入する方法として、短時間の作業と小休止を繰り返す「ポモドーロ・テクニック」が紹介されている。実践者も多いとされるテクニックだが、本書ではなぜこれが学習において有効なのか、実践中に脳内でどんなことが起こっているのかを詳細に解説してくれる。理論をしっかりと理解してから取り組むことで、一段と高い学習効果が期待できそうだ。
不確実性に満ちた現代、変化に対応するには常に学ぶ姿勢が欠かせない。「学び続ける力」はこれからの時代を生き抜く力となるはずだ。「子どもの頃から勉強は大の苦手」という人にこそ本書を手に取っていただきたい。