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1.ニュースは事実を切り取りはするが、それらの因果関係を説明はしない。ニュースにより得た情報量が多ければ多いほど、その情報は理解や集中力の妨げになる。
2.ニュースの多くが自分でコントロールできない事象である。こういった情報に対し、脳は「受け身」となり、行動を起こそうとする意欲が失われる。自分が影響を与えることができる範囲にのみ注目すべきだ。
3.「関心を持つ」ことは「行動を起こす」ことである。世界の惨事に関心を持つふりをして何も行動せず、いたずらにメディアを利するよりも、被災者などへの寄付を検討する方がよほど賢明である。
インターネットが出現してから今まで、ずっと「情報の時代だ」と言われている。初期と比べ、現在氾濫している情報量はぐっと増えている。一方、人間が処理できる情報量は大きく変化していない。情報過多の現代を生き抜く上で非常に助けになるのが本書である。
著者は、もともと新聞や雑誌をオンラインで購読し、ニュース中毒とも言えるほどの生活を送っていた。あるとき、「ニュースのおかげで、私は世界をもっとよく理解できるようになっただろうか? 良い決断ができるようになっただろうか?」という質問を自分自身に投げかける。答えはNOであった。にもかかわらず、著者はニュースを読むことを止めることができない。この体験を通して、著者は「ニュースとは何か」ということを突き詰めて考え、ニュースを完全に断つ「ニュースダイエット」を推奨するようになった。
本書では、「ニュースダイエット」の実践の方法、なぜニュースに中毒性があるか、ニュースの弊害は何か、ニュースを読まないことによるデメリットはあるか、またどう対処するべきかなど、様々な視点からニュースについて書かれている。当たり前だと思い込んで盲点だった気づき、発見が多い本である。
私自身も、著者が推奨する「ニュースダイエット」を実践するようになった。特に新型コロナウイルスの情報が溢れ返る中、自分にとって真に必要なニュースは何かを見極めるヒントが詰まった良書である。ニュースに対する食傷気味のムードが漂う現代にあって、ぜひ一度手にとっていただきたい。