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  • 「自分探し」のモヤモヤを解決するメソッドが一冊に!人気ブロガー初の書籍が18万部突破

    2021年05月01日
    知る・学ぶ
    ブックジャーナリスト 内田 剛
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    「本当にやりたいこと」を見つけて生きていくための、独自に編み出した「自己理解プログラム」が若者層を中心に人気を集めている八木仁平さん。ブログの閲覧数は累計2,600万PV、Twitterはフォロワー数2万7千人と、多くのファンから支持されています。

    そんな八木さんの初の著書『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』(2020年5月発売)が、順調に版を重ね、国内、海外あわせて累計発行部数18万部を突破しました。そのヒットまでの道のりと本書の魅力について、著者の八木仁平さん、編集を担当したKADOKAWAの小川謙太郎さん、営業担当の近部公子さん・鈴木雄策さんにお話を伺いました。

    世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方
    著者:八木仁平
    発売日:2020年05月
    発行所:KADOKAWA
    価格:1,540円(税込)
    ISBNコード:9784046044358

     

    八木仁平
    やぎ・じんぺい。株式会社ジコリカイ代表取締役。高知県生まれ。早稲田大学卒業後すぐに独立したものの、お金以外の働く目的を見失って鬱状態に。本当にやりたいことを見つけるため、独自の「自己理解」に取り組む。その手法を発信し始めたところ、ブログは累計2,600万PV、Twitterフォロワー数27,000人に。プログラムには全国から問い合わせが殺到し、年間200人がやりたいこと探しを終わらせて夢中に生きている。自己理解を世界中で当たり前にするための仲間を募集中。

     

    人気ブロガーが考える「本」というパッケージの魅力とは?

    ――八木さんは、すでにブログやYouTubeでも活躍されていますが、新たに本というメディアに挑戦されたきっかけについて教えてください。

    八木 僕にとっての「本」というメディアの最大の魅力は、一冊の中に、伝えたい内容がコンパクトにパッケージされているところです。これまでブログやYouTubeを通じてさまざまな発信をしてきましたが、それが一貫したメッセージとして伝わっているかどうかがわかりにくいと思っていました。

    ブログで記事のリンクを貼ったとしても、読者はすべてを読んでくれるわけではありません。いま時点で考えていることを、ひとつにまとめられることが僕にとっての本の魅力でした。

    ――サブタイトルの「人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド」まで含めると、かなり長いですが印象に残るタイトルですね。どのように決められたのですか?

    八木 小川さんと50個ずつタイトル案を出し合いました。類書のベストセラーも参考にして、かなり悩んだ末に、これで行こうと決めました。本書では、自分探しを終わらせ、本当に「やりたいこと」を見つけて成長し続けるための方法をご紹介しています。その内容が、ストレートに伝わるタイトルになればと考えました。

    ――いちばん伝えたいメッセージはどういうところですか。

    八木 「自分を変える努力をやめて、自分を活かす努力を始めよう」という箇所です。やりたいこと探しには公式があって、僕はこれを「自己理解メソッド」と呼んでいます。その、誰でもできる正しい方法を伝えたいとまとめたのが本書です。

    (本書p.43より)

     

    編集者とともに、「読みやすさ」をとことん追求

    ――初の書籍となりますが、執筆に時間はかかりましたか?

    八木 出版が決まったのが、2019年の2月くらいでした。そこから小川さんとお話しして、書き上げるまでには1年くらいかかりました。

    小川 初めて書籍を出版されるということで、2週間に一度といったペースで、密に打ち合わせして企画を詰めていきました。八木さんとキャッチボールをしながら一緒に作り上げた、私自身も思い入れの深い一冊です。

    八木 「伝わりやすさ」をテーマに、小川さんと議論しながら進めていくうちに、考えがまとまっていきました。僕にとっても、本を書くことはとてもよい経験になりました。

    ――内容はもりだくさんですが、構成がシンプルで読みやすかったです。図版も豊富でわかりやすいですね。工夫されたポイントは?

    八木 まず、小川さんのアイデアで横組みにした点ですね。

    図解についてはコンセプトが固まった時点で、これならばもっと盛り込んだ方がいいだろうと、これでもかというくらいこだわりました(笑)。
    ▲公式の図解など図表が豊富に挿入されており、メソッドが理解しやすい(本書p.51より)

    小川 八木さんはお会いすると言葉数が多い方ではないのですが、執筆ではすごく饒舌で、熱意のある文章を書かれます。また、もともとブログやTwitterで鍛えていらっしゃるので、文章は短め、かつリズミカルで読みやすい。そういったこともあって、縦組みより横組みのほうが本書には適していると思ったのです。

    八木 ただ、最初に小川さんにお渡しした原稿は、確か12万文字くらいあったのです。そこからブラッシュアップして、約7万文字に減らしています。

    小川 最初にもらった原稿は、そのまま組むと400ページを超えてしまう分量でした。さすがにそれでは「世界一やさしい」にはならないので、こちらから調整した案を八木さんにお戻ししたら、「どういう事ですか!?」というメッセージが届いたことも(笑)。そこから議論を重ねて、現在の形になっています。

    ――巻末特典も充実していますね。「大事なこと(価値観)」「得意なこと(才能)」「好きなこと(情熱)」を見つける30の質問など、本書のメソッドを実践するのに役立ちそうです。

    八木 これらは、僕が運営している「自己理解プログラム」で実際に提供しているものです。『メモの魔力』を読んだときに、巻末特典が多くて理解に役立ったので、参考にさせていただきました。

     

    「大学生の時に読みたかった」など反響が続々

    ――タイトルや内容など、かなり研究しながら生み出された本なのですね。帯には「『自分探しゲーム』から解放される方法、教えます」とありますね。読者は、やはり若い方が多いのですか?

    八木 具体的な読者としてイメージしていたのは、20代の入社1〜3年目くらいの会社員の方でした。発売がまさにコロナ禍のさなかでしたので、そういったことも売行きに影響しているのかなと思っています。

    ――本を出そうと思っていた時には意図していなかった部分ですね。本に対するニーズが深まったということでしょうか?

    八木 そうですね。コロナ禍が自分の人生を見つめ直す機会になった人は多いのではないでしょうか。さらに、直接人と会うことができない状況もあり、本に答えやヒントを求める流れがより強まったのではないかと思います。

    ――読者の方からはどのような感想が届いていますか?

    八木 「ここまで深く自己理解をしたことがなかった」「仕事を選ぶ時に使いたかった」という反響を、日々Twitterなどを通じていただいています。その中でも、「大学生の時に知りたかった」という声がいちばん多かったですね。

     

    著者ならではのSNS戦略でヒットの口火を切る

    ――インターネットの世界でも人気のある八木さんですので、SNSでの反響も大きかったのではないですか?

    八木 小川さんから「火を点けるところだけは頑張ってください」と言われて、まずは重版を目指して、特にSNSでの戦略に力を入れました。

    出版の翌日から、本を買っていただいた方に向けて3日間連続でオンラインセミナーを開催しました。ほかにも書評キャンペーンとしてセミナー動画を参加者全員にプレゼントしたり、限定グループでのZoomコンサルティングに招待したりといった企画を実施しています。書評キャンペーンは3回行いましたが、全部で500本くらいの書評が集まりました。

    出だしとしては、上手く機能したのではないかと思っています。

    ――読者参加型の施策は、ファンの方にとってもうれしいのでは。

    八木 多くの方にご参加いただけたのは、本当にありがたかったです。その後は、「『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』を働き方で悩む2000人に届けたい!」というクラウドファンディングも実施しました。僕自身の寄付1,000冊を含めて、約1,400冊の本をプレゼントすることができました。

    ――これまでの発行部数の推移について教えてください。

    近部 7,000部でスタートし、現在は16刷で累計17万3千部となっています。

    ――八木さんのTwitterでは「世界累計18万部」と書かれていますね。

    八木 アジア圏で翻訳版が出版されていますので、韓国と中国、台湾の発行部数を加えています。

     

    「YouTube大学」で取り上げられ、売行きがさらに伸長

    ――発売からの売れ方に特徴はありましたか?

    近部 発売当初から動きが良く、順調に版を重ねました。2020年の10月くらいにJRの交通広告を掲出し、それが終わるタイミングで「中田敦彦のYouTube大学」に取り上げられました。そのダブルの効果でさらに売行きが伸びました。

    もともと八木さんのファンの方にはお読みいただいていたのですが、そのタイミングでタイトルを知って、手にしてくださった方もたくさんいたようです。

    八木 「YouTube大学」からは事前に知らされていたわけではないので、率直に驚きました。取り上げていただけると思っていなかったので、その後どんな反響があるのか、うれしさと期待でそわそわしました(笑)。

    ――現在の帯には中田さんの写真とコメントも入っていますね。どれくらい売上に影響があったのでしょう。

    近部 販売実績が、前週比の2倍くらいに伸びました。購買層も、当初は20〜30代くらいの方が多かったのですが、現在は50代の方にも広がっています。また「YouTube大学」をきっかけに、普段書店に足を向けない方にも本書が広がった印象です。

    八木 読者の方は、「何万部売れている」という文言をそれほど重視していないと思います。しかし、「YouTube大学」に出たという情報は一般の方にもわかりやすいですし、解説もしてくださっているので、売れているというだけでなく、どういう内容の本かということが認知されたのではないかと感じています。

    ――店頭ではどのようなコーナーで展開されていますか?

    鈴木 もともとはインショップや駅ナカの書店での動きが目立ちました。「中田敦彦のYouTube大学」で紹介された本を集めた棚での動きがいいですが、それ以外のコーナーでも、書店員の方の手書きPOPでご展開いただくなど広がりを感じています。

    発売から10か月以上経過しているいまも、多面展開してくださっているお店もあって、ありがたいですね。30〜40代の男性読者がほかと比べるとやや少ない印象ですので、今後はこの層に向けてアプローチしていきたいです。

    ――第2弾のご予定などはありますか?

    八木 本書は8章で構成していますが、それぞれにフォーカスしてまだまだ書きたい内容があります。より細かく深化させた形で、続編を考えていきたいと思っています。

    ――第2弾も楽しみにしています。本日はありがとうございました。

    【取材を終えて】
    売れている本には理由がある。本書もまさにそうだった。独自のメソッドを広めるために「書籍を出したい」という著者の熱い想いと担当編集との掛け合いから、文字通り「世界一やさしい」一冊ができ上がった。大ヒットの最大の要因は妥協を許さない「モノづくり」の精神と、SNS戦略で最初の火を点けた著者の「本気」だと感じた。八木仁平の名刺がわりの一冊は、素材の良さに編集力が効いて、「YouTube大学」という神風も吹いた幸福な本だ。本書を必要とする読者はまだまだたくさん存在するだろう。シリーズ化も大いに期待したい。

    ▼元書店員であり、「POP王」としても知られる本記事のライター・内田剛が作成したPOPがこちら

     

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