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1.社会に出て活躍するには、どんな職場であっても起業家精神を発揮し、みずから先頭に立つ術を心得ておく必要がある。
2.常識を疑い、世の中のギャップを発見するべきだ。そこに新しいニーズがある。
3.チャンスは、自分でつかみに行くものである。何かを成し遂げようと思ったら、機が熟すのを待つのではなく、まずはその方向に動き出すべきだ。
4.失敗は、スキルを広げる挑戦をした証でもある。失敗したことがないのは、十分なリスクを取っていないからにすぎない。
本書は、スタンフォード大学の起業家精神とイノベーションの演習授業から生まれたベストセラーの「新版」にあたる。その主張をまとめると、快適な場所から離れ、失敗を恐れず、あらゆる機会を見逃さない、ということになるだろう。この提言自体は普遍的なもので、そこまで珍しい主張ではない。
しかし本書の特徴は、スタンフォードの学生たちに与えられた実際の課題(問い)とエピソードがふんだんに紹介されているところにある。エピソードを通じて、読者もまたさまざまな思考実験に誘われる。どの話題にピンと来るかは読者次第だと思うが、要約者にとっては交渉に関する話がとくに興味深かった。交渉では、互いの利害が対立しているという無意識の前提があり、「自分の利害を明かすと不利になる」と思っている人が少なくない。しかし実際は、互いの利害を明らかにした方が、ずっとよい結果を得られる。双方の望むことが一致していることは意外と多く、それぞれの交渉項目についての互いの重要度がわかれば、譲歩の余地もずっと大きなものになる。
本書に書かれている内容の一部でも生活に取り入れることができれば、人生は大きく変わるはずだ。著者も述べているように、よい変化は複利効果で増える。たとえば1日に1%変わるだけでも、1年後には37.78倍になる計算である。
20歳かどうかにかかわらず、あらゆる年代の読者の背中を押してくれる、じつに力強い一冊である。