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1.抽象化とはWhyを問うことであり、メタ視点で考えることである。具体化とはHowを問うことであり、数字と固有名詞に変換することである。手段から目的を考えるのがWhyであり、目的から手段を考えるのがHowである。
2.抽象の世界が見えている人は、具体の世界も見ることができるが、具体の世界しか見えない人は、抽象の世界が見えない。
3.「具体→抽象→具体」と、抽象化と具体化を組み合わせることにより、表面的な問題だけでなく、根本的かつ本質的な問題も解決できるようになる。
「具体⇄抽象」とは文字通り、具体化と抽象化を行き来する思考法を指す。この思考法は汎用性が高く、特に「問題解決」と「コミュニケーション」の分野で有効だろう。
問題解決は、問題の発見と(狭義の)解決に分けられる。具体的な事象を抽象化することにより、問題の本質を捕捉するのが問題の発見だ。著者も述べるように、問題は発見されれば、ほぼ解けたも同然だ。したがって問題解決においては、抽象化する思考力が決定的に重要になる。そして発見された問題を、具体化することによって解決していく。特に目標は、数字と固有名詞でしっかりと具体化されなければならない。
コミュニケーションにおいては、具体と抽象という大きな座標軸のなかで、「いまどこの話をしているのか」をマッピングすることが重要になる。そこさえ共有できれば、不毛な議論や無用な軋轢は、相当程度減らすことができるだろう。
本書は29問の演習問題を通して、この「具体⇄抽象」の思考法をトレーニングできるように構成されている。具体的な方法については、ていねいに説明されているのでご安心を。
「具体⇄抽象」の思考回路が身につけば、「自分の頭で考える力」が飛躍的にアップする。さらに言えば、職場やチームで一緒に演習問題に取り組むとなお良いだろう。思考法を共有することで風通しが良くなり、仕事の生産性がグッと上がること間違いなしである。