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1.チームの心理的安全性とは、一言でいうと「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム・職場のこと」である。
2.心理的安全な職場とは、メンバーどうしが和気あいあいとしているだけの「ヌルい職場」ではない。高い基準の目標を達成するため、健全な衝突が起こる職場のことだ。
3.日本の組織では、「話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎」という4つの因子があるとき、心理的安全性が感じられるということが、著者の研究で確認されている。
「心理的安全性」とは、組織やチーム全体の成果に向けて、率直な意見や素朴な疑問、そして違和感の指摘がいつでも、誰でも気兼ねなく言えることだ。
この考え方の重要性を見出したのは、グーグルである。同社が4年の歳月をかけて「効果的なチームはどのようなチームか」を調査・分析した結果、「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」のほうが真に重要だということがわかった。さらに圧倒的に重要なのが心理的安全性であり、心理的安全なチームは離職率が低く、収益性が高いとも結論づけられている。
もちろん心理的安全性の重要さは、グーグルだけが発見したわけではない。組織行動を研究する研究者たちも、さまざまな成果を学会に発表しており「業績向上に寄与する」「イノベーションのプロセスや改善が起きやすくなる」「意思決定の質が上がる」といったビジネスの現場における有用性が次々と報告されている。
いま、新型コロナウイルスの感染拡大によって生活や仕事で大きな変化を余儀なくされている方も多いだろう。このように先が見えず、変化の激しい時代には「確固とした正解がある」時代のチームマネジメントは役に立たなくなっている。だからこそチームの心理的安全性を高め、「挑戦・模索」からチームの学習を促進することの重要性が増しているのだろう。
本書は単なるノウハウ集ではなく、理論と体系に基づいて実践に向けた指針が示されており、多くのビジネスパーソンにとって、これからの働きかたの実現に向けた必携の書となるだろう。