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1.チームの生産性向上には、自分らしく働ける「心理的安全性」が欠かせない。その実現には、怒りとうまく付き合うための「アンガーマネジメント」に全チームで取り組むのが有効だ。
2.怒りとは、外的要因に起因するものではなく、自分の中から生まれ出る感情である。
3.コアビリーフと現実との間にギャップが生じると怒りが生まれる。怒りの裏側には不安や心配、困惑などの第一次感情が隠れている。
4.怒りとうまく付き合っていくための心理トレーニングには、衝動的行動を回避するための対処法と長期的な体質改善の2つのアプローチがある。
「アンガーマネジメントか……」、本書を手にとり、ひそかにため息をついた。身近にあっていまだ御しきれていないもの。それが己の怒りの感情であり、もう逃げてはいられないなとも感じた。
怒っても何もいいことはない。そんなことは言われなくてもわかっている。少々ふてくされながら本書を開くと、一気に引きこまれてしまった。怒りとはそもそも何なのか。なぜそのような感情が生まれるのか。そうした怒りの性質や特徴をあらためて確認できたことは、わたしを冷静にしてくれた。仕組みや構造がわかると、それはもはや未知の現象ではなくなる。
本書には「怒り」にまつわる生々しい事例がふんだんに盛りこまれている。上司の立場でも部下の立場でも、いちいちうなずいてしまい既視感がハンパなかった。わたしたちが普段の職場で直面する場面が取り上げられているうえに、どう対応すればよいのかという「模範解答」が示されているので非常に納得感が高まった。知識という基礎理解と模範的ゴールが見えていることで、無理なくアンガーマネジメントに向けた取り組みの第一歩を踏み出すことができたように思う。
アンガーマネジメントとは、怒りと「うまく付き合う」ことなのだという。ここでは怒りやイライラを感じる自分を責める必要はない。肝心なのは、感情が生まれた後の扱い方である。まずは自分と向き合い、そして相手と向き合う余裕が生まれれば、仕事もプライベートも人生そのものも好転し始めるに違いない。そう希望をもたせてくれる一冊だ。